こちら、株主優待がある銘柄を30ほど保有しています。なかでも楽天は、ホールドし続けている銘柄のひとつです。
優待の口コミなどをみながら、魅力的な優待銘柄はないかと物色していたとき「楽天の優待ってショボくない?」という声を目にしました。
今回は楽天株のホルダーで、実際に優待を活用している筆者が「楽天の優待はショボい」と言われる理由と、その実態を率直にレポートします。
楽天の株主優待が「しょぼい」と言われる理由を考える
楽天の公式サイトには株主優待について、
楽天グループ株主様向け「楽天モバイル」特別ご優待(「楽天モバイル」の音声+データ30GB/月プランを1年間無料にてご提供)
楽天グループ株式会社「株主優待制度」より
と、記載されています。楽天モバイルを使っていない人にとっては使い道が分かりにくく、「しょぼい」と感じてしまうかもしれません。
SNSや口コミでよく見る「しょぼい」の声
楽天の株価は長らく低迷し、近年は無配も続きました。
筆者も5年以上保有していますが、株価がようやく、購入当時の水準に戻ってきた印象です。
最低取得単位である100株保有の場合、過去の優待は年1回500円分の楽天ポイントのみ。正直、配当・優待とも物足りなく感じていました。
そんな中、2024年から登場したのがこの「楽天モバイルの音声+データ30GB/月プランを1年間無料」の優待です。苦節数年、持っててよかった。
なぜ「しょぼい」と言われるのか
たとえば、イオン株主向けの「イオンモバイル割引」や、TOKAIホールディングス株主向けの「LIBMO割引」など、通信系の株主優待は他社にもあります。
ただ、これらも結局、そのサービスを使っていないと恩恵がないという点では同じです。乗り換えが面倒でスルーしてしまう人も多いと思います。
楽天の優待も「楽天モバイルを使う予定がなければ価値を感じづらい」のは事実でしょう。
実際に1年間使ってみた楽天の株主優待
楽天株を保有していますが、楽天モバイルを使っているのは偶然です。
「スマホにかかるコストを少しでも安く」と思い、別キャリアから乗り換えました。
楽天株主優待の実質的な価値
楽天の株主優待では、楽天モバイルの音声+データ30GB/月プランが1年間無償で提供されます(25.9現在)。
毎月30ギガということは、年間で最大360ギガ使える計算になります。月末に残ったギガを翌月に繰り越すことはできませんが、毎月30ギガはそれなりの通信量でしょう。
楽天モバイルに加入して30ギガを使ったと仮定すると、毎月の利用料は家族割利用でも3,000円以上かかってきます。
3,000円を1年使えば、4万円近くの出費になりますね。ここを優待でカバーできるとなると楽天の株主優待はそう、しょぼいものでもないかなと。
金銭の配当と同様の考え方はできませんが、優待利回りにすると40%近くなり、なかなかのインパクトです。
最低取得単位の100株で優待は受けられる。100株はいくら?
筆者は、楽天株を最低取得単位の100株のみ保有しています。多少の増減はあるものの、近年は1株あたり1000円前後で推移しています。
100株買おうとすると10万円程度の出費が必要な計算になりますね。

松井証券会員専用検索ページより抜粋
25.10現在、保有株数に関わらず優待内容は同一です。
株の購入に手数料がかからない証券口座
松井証券のほか、楽天のような株価の比較的小さな銘柄の購入に、手数料がかからない証券口座はいくつかあります。
楽天証券やSBI証券などのネット証券なら松井証券同様、楽天株の購入には基本、手数料がかかりません。
NISA枠で購入すれば、売却時の税金も気にしなくて済みます。
筆者が松井証券を利用しているのは、手数料無料の例外が少なく、シンプル・単純明快だからです。
無料って言ったのに!という状況は一度もなく、安心して使っています。
株取引を始めたころ、楽天証券とGMOクリック証券にも口座を開設しました。これらはアプリの煩雑さなどから使わなくなり、現在は解約しています。
使いやすさ加減には個人差があるかと思います。いくつか開設してみて、いちばん便利に使えるものを選ぶと、いいのではないでしょうか。
楽天の株主優待の受け取り方法や使い勝手
現行の楽天の株主優待が最初に、手元へ送られてきたのは2024年5月。
QRコードで送付されました。

このQRコードから受けられる優待はeSIMでしたが、筆者の環境では使いにくくて、物理SIM(SIMカード)に変更してもらいました。
物理SIMが届くまでは3ヶ月ほどかかりました。でもその分、使用期限も3ヶ月ほど延長されいて特に不便や損は感じなかったです。
このときの詳細については、楽天の株主優待eSIMがスマホで使えないときの解決策と、お得な活用法という記事にまとめています。
【25.11.4追記】最初の年の優待期限を迎えたあと、株を保有し続けていたので優待も継続しました。
自動的に、毎月30ギガが配布され続けて20ヶ月近く経とうとしています。
楽天の株主優待で感じたメリット
筆者はたまたま、楽天株を保有しているうえに楽天モバイルユーザーです。
今のところは、楽天の株主優待を存分に楽しめている感があります。
楽天ユーザーである筆者は、楽天株主優待をどう使っているか
楽天モバイルの契約がある人には、優待の使い道が明確でわかりやすいです。
筆者は優待を受ける前から1回線契約しており、優待はポケットWiFi用として新たに活用中。

自宅のネット環境をまかなえるほどではないものの、実家や出先など、Wi-Fiのない環境でパソコン作業をするときなどに重宝しています。
月平均5GBほど使用しており、30GBの枠内で十分足りています。
優待はテザリングでの利用も考えましたが、画像編集など不便を感じる動作がいくつかあり断念しました。
個人的な感想ですが、ポケットWiFiでの優待利用はなかなか便利。最近は、実家でテレワークする機会が増えました。
「しょぼい」というほどではないけど、少し不満な点も
楽天の優待には満足しているとはいえ、以下のような点では「物足りなさ」も感じます。
- 30GBでは家庭の通信すべてをカバーするのは難しい
- 株価の値下がりリスクがある
- 無配の期間が長い
優待の「お得感」だけでは、含み損を補いにくいのが現状です。
楽天の株主優待で「しょぼさ」を感じにくい人
筆者個人は、楽天株を保有しながら「配当があまりないうえ株価も安定しない」という印象を、長年持ち続けていました。
今回、楽天モバイルを使っていたことでたまたま、優待の恩恵にあずかれました。例えば、
- すでに楽天モバイルを利用している
- モバイル回線を複数持ちたい(サブ回線用、ポケットWiFi用など)
- 株主優待目当てで100株のみ購入したい
といった状況なら、しょぼさを感じずに楽天株を保有できるでしょうか。逆に、売却益や配当を狙う人には、楽天株はやや物足りないかもしれません。
楽天の優待を「しょぼい」と感じるかどうかは、使い方次第
楽天の株主優待は、配当+優待+株価の三位一体で判断して条件が揃えば、十分にうまみがあるでしょう。
筆者はもともと契約していた回線をスマホ用に、そのうえで、株主優待のギガはポケットWiFiで使っています。
優待目的なら「お得感だけ」でなく、サービスとの相性がカギになるのではないでしょうか。
投資スタイルやスマホキャリアとの相性で、楽天の優待が“しょぼくない”と感じる人も少なくないはず。たとえば、
- 楽天の株主優待は「使わない人にとってはしょぼい」が、「楽天モバイルユーザーにはかなりお得」
- 100株保有で1年間の30ギガ/月は、活用できれば大きなメリット
- 優待目当てで楽天株を買うなら、「自分にとっての相性のよさ」で判断を
と、いった具合に「どう使うか」「自分に合っているか」で判断すれば、楽天株の保有にも納得感が生まれるかもしれませんね。
楽天の株主優待を実際に受けるには、まず証券口座が必要です。
松井証券なら売買手数料が無料。NISA口座を開設すれば万一、売却することになったときも税金がかからないから安心だと思います。
【関連】楽天の株主優待でネット代を節約。30GBをポケットWiFiで使うと
■参考■楽天以外の保有銘柄について
保有している銘柄の株主優待について、面白いもの・思うところがあるもの(笑)は、積極的に記事にしています。例えば、
- KDDI:Pontaポイントなど→ 2025年6月にKDDIの株主優待を受け取った感想
- 日清食品:自社グループ製品詰合せなど→ 日清食品から届いたレトルト品3点
- コア:国立博物館 引換券→ コアの株主優待で楽しむ、博物館年間パス活用法
- 一風堂:株主優待券(ご賞味券)→ 在宅勤務ランチに嬉しい外食を
など、優待を実際に使った記事を書きましたので、よかったらお楽しみください。これから株を買おうという皆さんの参考になれば、とてもうれしいです。
楽天株のスケジュールや優待の注意点など
楽天株のスケジュールとして、
- 配当権利付最終日(この日の取引終了時までに株式を保有すると優待がもらえる)は2025年12月26日
- 権利落ち日(売却しても優待・配当等の権利が得られる最初の日)は2025年12月29日
- 権利確定日(各企業が株主名簿等を確定する日)は2025年12月30日
を、おさえておくと優待の獲得が確実なものになります。参考までに。
なお、優待で株主に贈られるサービスは通常の楽天モバイルのサービスとは異なります。
特典やサービスなど、受けられるかどうか気になるものがある方は、事前に公式サイトなどでご確認をお願いします。



コメント