
やめよう、やめようと思いながら自分をごまかし、続けてきたサラリーマン生活。
惰性で働き続けて40歳を過ぎたころ、コロナショックで勤務先がなくなり無職に。
喪失感1%、ホッとした気持ち99%といったところで、ようやく訪れた自由をかみしめました。
再就職はせず「セミリタイア+在宅ワーク」という形で、人生をリセットすることに。
40代での人生リセットを経験して、生活や気持ちにどんな変化があったのかを、リアルな体験談としてお届けします。
もともとフルタイムのような働き方は望んでいなかったけど
学校を卒業してからフリーターで、小金が貯まったらやめて遊んでまた働いて、を繰り返していました。
ふと「正社員やったことなかったな」と思い立ち、遊びに飽きた20代後半で就職しました。
いつまで会社勤めを続ければいいのか
就職して数ヶ月後、ボーナスをもらって「遊ぶ資金できた!仕事辞めるか」と思っていたところ。
勤務先で「来期の目標」を尋ねられ、正社員は勤続がデフォルトと知りました。
そのままサラリーマンをダラダラ続けて、気づけば40代。
昇給や昇進に、わずかな喜びはありました。でも、心身のだるさや仕事のキツさは、それらをはるかに超えていて。
いつまで会社勤めを続ければいいのか、と途方に暮れていました。
「まさか、このまま定年まで?」という漠然とした不安を抱えながら。
コロナで会社がなくなり、強制的な転機が訪れる
会社がなくなったときは、長い拘束から解き放たれたような気分でした。
心身ともに自由を得て「さて、これから、どんなふうに楽しく生きようか」と。
無職になり収入・支出を見直し
サラリーマン生活が終わった直後から約1年ほど、失業手当で暮らしました。
手当を受給しながらの無職生活は、このうえなく素晴らしい時間でした。
出費が少ないライフスタイルになり「フルタイムは自分にとって必須ではない」と確信するのに、時間はかかりませんでした。
「毎月、最低限どれくらいかかるのか」を考えてみる
無職になった当初は「衣食住に最低限、いくらかかるんだろう」というのが関心事でした。
筆者の場合、最低限必要なのは毎月10万円ほどと試算。その金額のなかでしばらく生活してみて、問題ない実感を得ました。
生活費のシミュレーションと「労働量の最適化」
最低限の生活費が分かったところで「では、その金額をどうやって稼ぎ出せばいいか」を考えました。
コロナ禍だったこともあり、テレワークの仕事をいろいろ試しました。
在宅の派遣、バイト、業務請負などで「これくらい働けば生活できる」という最適・最小限の労働量を模索。
数年かけて、いくつかの仕事を試しました。
現状は、稼げる金額が明確な仕事をベースに「確実な報酬額はわからないけど、面白そうな仕事」にトライする働き方をしています。
「セミリタイア」とも呼ばれる働き方でしょうか。働きすぎない、仕事とのちょうどいい距離感があります。
派遣・バイト・請負を試して、手堅いと感じた「時給をもらう在宅ワーク」
派遣やアルバイトで働くと、時給で報酬が支払われます。
対して、業務請負は成果報酬が多いようです。ひとつの仕事に値段がついていて、それを終えると報酬が確定するというテイです。
こうした報酬の支払われ方は、修正指示などが重なったとき手間が増えるんですよね。
時給換算すると、とんでもない安値なことが分かって驚くこともあります。
こちらの落ち度での修正なら理解できますが「そんなの最初に聞いてなかった」という修正を、無償でさせられたりすると萎えます。
そうした経験から「在宅・時給」の仕事を優先して、選ぶようになりました。
時給で働く在宅ワークで時間・場所・人間関係のストレスから解放される
テレワークなら通勤に時間がかからないし、服装も自由です。
働いている人同士、毎日のように顔を合わせるわけではないから、いい意味で人間関係も希薄。大部分のストレスから解放されます。
多少、報酬が少なかったとしても在宅勤務は、ありがたい働き方のように、個人的には思ってます。
人生リセット後、生活はどう変わったか
勤務先がなくなったあと少し時間をかけて、人生をリセットしました。
在宅であっても最低限の仕事をしていて、生活のリズムは保たれます。働き過ぎないからか、とても元気です。
好きなものを食べて、仕事に追われることなく1日をのんびり過ごせて、メンタルにも余裕がある感じです。
お金との向き合い方が変わった
会社員のころ、働いて稼ぐお金は「毎月決まった日に振り込まれる、決まった労働に支払われる対価」でした。
振り込まれる以上に使うこともなく、お金の存在をほぼ、忘れていました。
現状は「もっと楽しく、身になる稼ぎ方はないか?」と、考えるようになった気がしています。
お金を稼ぐことに対して、会社員時代よりも前向きです。
「社会から外れる怖さ」は、思ったより小さい
最近は働き方も多様で、正社員として勤務してなくても、引け目を感じる場面はありません。
むしろ「楽しそうな働き方!」と興味をもたれることのほうが多いです。
そう言われたときは、こちらの世界はいいよと、相手を引き込んでいます(笑)。
会社員時代の「働く理由」は、今とはまったく違った
ふりかえると、正社員時代は生活と世間体のために働いていた感があります。仕事に愛着を感じることは、なかったです。
いまは収入は少なめですが「自分で決めた、好きな仕事」をしています。
今後は時間をかけてマイペースに、少しずつ収入を増やしたいところです。
人生リセットの現実。いいところと気になるところ
こちら、人生をリセットして数年が経ちました。
実際に生活していると、いいところも、気になるところもあります。
【いいところ】好きなことに時間を使える
人生をリセットしてから、自分の時間が圧倒的に増えました。
夜遅くまで本を読んだり動画をみたりしていても「無理に寝る必要ない」という気持ちがあります(実際はけっこう寝てます)。
好きなことに没頭できる生活は、ストレスを感じにくいようで、とても満足しています。
【気になるところ】収入の少なさ
現状、確実に稼いでいるのは必要最小限の収入で、それ以外は「稼げることもあれば、稼げないこともある」といったものです。
現状の収入で生活に困ることはありませんが、仮に大きな投資をしようとしたときなどは、大金を動かしにくいでしょうか。
人生をリセットして感じたこと
思いがけず会社員生活が終了したことで、人生をリセットする機会に恵まれました。
久々に会った友人にそのことを話したとき、会社がつぶれてしまったことをすごく気の毒がられました。
「本当に大変だったね、大丈夫?」と聞かれて、幸せの感じ方は人それぞれと実感。
周囲の目を気にすることなく、納得のいく仕事を少ししながら自由に生きる生活は最高です。
サラリーマン時代のように休日出勤や残業もなく、反りの合わない人と仕事をする必要もありません。でもこれは、個人の意見かも。
人生リセットしたあと、後悔しないために
会社を辞めて自由な生活をしても、身の回りのすべての問題が解決するわけではありません。
筆者は家で働きたい気持ちがありテレワークを選びました。
でも、オンとオフをきっちり区別したい人などは、在宅での仕事はむしろストレスになるかもしれません。
対して「一人の時間が好き」「静かな生活を望んでいた」という人には、すごく合う可能性があるでしょう。
大事なのは「向いてる、向いてない」ではなく、どんなスタイルが自分好みかを小さく試してみることかもしれません。
人生リセットを考える人に伝えたいこと
ここまで記事を読んでくれた人は、何らかの理由があって人生リセットを考えている、あるいは強制リセットの場面にあるといった方々でしょうか。
こちらは後者です。
自発的ではありませんでしたが、人生をリセットして本当によかったです。
いろいろと小出しに試して「これが一番いい」ということを模索した成果だと思っています。
人生リセットは少しずつ、無理なく進めるといいようです。
気持ちのなかに「小さな違和感」を感じたときは、それを放置しないでください。自分にあった生き方を考えるいい機会ですから。
人生リセットの3つの準備
振り返ると、人生リセットには3つの準備があるといいのではと思います。
- お金
- スキル
- 心構え
この3つのメドが立つと安心です。
筆者は収入に直結する資格はもっていませんが、文章を読む・書くことが好きです。そのスキルが生きる仕事で、報酬を得ています。
人生をリセットしてみると「この先うまくいかなかったら?」と、不安を感じてしまう場面もあるでしょう。
そんなとき「やっぱりやめればよかった」と思うか、思わないか。心構えをしておくと、いいかもしれませんね。
人生をリセットしようとするのは逃げではなく、戦略的撤退です。
筆者は人生をリセットして、生活は意外と回るし、何より「働きすぎない人生」は選べることを実感しました。
お金とスキルと心構え。3つの準備ができたら、人生リセットはすぐそこに見えているでしょう。