友人と会ったとき、それとなく「最近仕事は?」と話を振りました。
友人本人の仕事について聞いたつもりだったのですが、職場の人間模様の話が始まりました。
「仕事をかけもちして疲れてるパートさんが、席で居眠りをしていたらリーダーに怒られて」といいます。
そのパートさんは業務を真面目にこなす古株の方だそう。周囲の信頼が厚く、友人は少し心が傷んだようです。
たしかに席で居眠りをすれば注意の対象にはなるでしょうが、リーダーはパートさんの居眠りの理由に言及しなかったとも。
ここで、席での居眠りはダメと一言添えたうえで「もしかして疲れてる?少し休んだら」と声がけすることができれば、職場の空気は温まったかもしれません。
マネジメントはマニュアルだけではうまくいかないよね、と言いつつ「眠いときは数分寝てリセット」は、令和のオフィスでもナシなのかと意外な気がしました。
サラリーマン時代の「居眠り」を思い出す
友人の話を聞きながら「そういえば自分も、会社では居眠りをよくしていたな」と、遠い記憶がよみがえりました。

席で寝ると椅子から転げ落ちたりして白い目で見られるから、いつしかトイレで寝ることを覚えていました。
トイレで変な姿勢で寝れば疲れは倍増するし、それを社員にさせる会社もまた問題です。
ちなみにその会社は、数年前につぶれています。
5分で解消する眠気に半日対峙する、非合理な働き方をしていた
(楽な姿勢で数分寝ればスッキリする)昼間の眠気を我慢し続けると、そのあと何時間も眠いばかりか、気分が悪くなることもありますよね。

オフィス勤務をしていた会社員時代を振り返って、考えてみると。
一瞬の仮眠で解消する眠気に長時間かけて対峙するという、全く意味のない行動を繰り返していたように思います。
友人との話で筆者は「なぜテレワークを楽に感じるのか」について、改めて考えることになりました。
「ちゃんとした人を演じる」必要のあるオフィスは多い
居眠りに限らず「ちゃんとした人を演じなくてはならない」という暗黙のルールが存在する職場は、今もよくあるようです。

オフィス勤務で「私は居眠りなんかしていません、こんなにも業務に邁進しています!」的なポーズを取る(=演技をする)必要を感じたこと、ありませんか。
居眠りのほか、例えばオフィスでの
- お菓子を食べすぎる
- だらしない座り方をする
- (職場のデスクなどへ)過度な私物の持ち込み
といったことは、売上や対外的な印象に関わるなら改善する必要があります。
でも、仕事に支障はないのに密かに噂されたり、笑われたりしませんか。
勤務中に眠くて生産性が落ちるのは大きな問題。職場全体で対策を
なかでも、勤務中に眠くなって目の前の仕事に支障が出るのは、特に大きな問題でしょう。
15分〜20分程度の短時間睡眠は、認知能力や集中力を大幅に向上させるといいます。
寝具専門メーカー・西川のホームページに、こんな記述があります。
(抜粋)パワーナップとは、短時間の昼寝のことで、日中の疲労回復や集中力アップに効果があるとされています。多くの人が日中に眠気を感じることがありますが、そんなときに15〜30分程度の軽い睡眠をとることで、脳と体をリフレッシュさせることができるのです。
勤務中、眠くなったり疲れを感じたとき利用できる「短時間仮眠制度」を取り入れている企業も、あると聞いたことはありますが。
まだ、メジャーな制度とはいえないでしょう。
テレワークで、仕事に「ちゃんとしてる演技」は不要と実感
筆者は在宅で仕事をするようになって10年以上が経ちます。

オフィスワークも数年経験していて、友人などから職場の愚痴を聞くと「ああ、その悩みか」と、理解・共感できる部分も多いです。
そうした話のなかで、よく「どうして在宅ワークしてるの?」と聞かれることがあります。
移動の時間がいらないとか、服やメイクを気にしなくていいとか、理由はたくさんあります。
でも、最たる理由は「きちんとしている人を演じる必要がない」。これに尽きます。
この「演技」は、はっきりした指標がないし評価もされません。でも、オフィスで働くとなると重要度が高い、かつかなりの疲労を伴うタスクでしょう。
きちんとしている「演技」が要らない在宅ワークの日常
在宅ワークは、企業等に雇われているケースと、個人事業主などでフリーで働いているケースが主に考えられます。
雇われて在宅勤務をする場合、時間の縛りがあります。決まった時間にスタンバイして、連絡のつく状況にあることは必須です。
雇われてのテレワークなら、フリーよりタスクがひとつ多いことになりますね。
「演技不要」が分かりやすい在宅ワークのシーン
「眠い、休みたい」というとき、テレワークだったら横になって数分休めるのは分かりやすい「演技不要」シーンです。
ただ筆者は会社員テレワーカーの初期のころ「昼寝し放題」と勘違いしてパソコンの前で2時間寝てしまい、起きた時には日が暮れていたという経験があります。

幸い、そのガチ寝は勤務先にバレませんでした。バレていたら何らかの制裁があったかもしれません。
仕事が忙しかったこともあり残業代をもらわず深夜まで一人、静かに仕事を続けました。
テレワークの場合、仕事中の昼寝はアラームをかけてすればOKと学んだ出来事です。「演技」の要らないシーンにはそのほか、
- 胃腸の調子が悪くてトイレに篭りがちになったり
- 変な時間にお腹が空いて(お昼ではない時間に)本格的に食べたり
- 汗をかいたら簡単にシャワーを浴びたり
などがあるでしょうか。素の自分のニーズに沿った行動ができます。
仕事中でも、数分休んでこうした行動をとると空腹や疲労、ストレスなどがリセットされる感覚があります。
結果、仕事のパフォーマンスも上がることが多いです。
オフィスではコーヒーを飲む、タバコを吸う、雑談をするなどできることが限られていて、なかなかリフレッシュしにくいのではないでしょうか。
在宅勤務に必要な能力は「仕事」だけ?
こんなふうに言うと「ではテレワークは、仕事だけやっていればいいのか」ということにもなりそうです。

経験からいうとそうでもなくて、面と向かって話せないことが多い分「細かな気遣いや声がけは必要」的な実感があります。
オンライン中心の働き方だからこそ
テレワークは、顔が見えにくい働き方です。
よく知った間柄で仕事をする場合はそう気にする必要もないですが、あまり知らない人との仕事では「言い過ぎないように、相手を気遣う」必要があります。
この「言い過ぎないように」というのは少し、難しいところかもしれません。
言い過ぎるとわざとらしいし、言葉が足りなければ伝わらないし。時間をかけて調整していくしかないのかなという気がします。
筆者も10年以上テレワークをしていますが、
- 言いすぎ
- 業務だけになりすぎ
て、気が悪かった?という場面は、まだまだあります。
オフィスでの「きちんとしてる演技」に疲れたら
毎日通勤をしてると「きちんとしてる演技」に疲れる場面は多いと思います。

「こうした演技はいらないから、実務を充実させよう」という空気を、職場で意識的に作ると、全体のパフォーマンスも上がるのでは。
在宅での働き方が選べるようシフトするのも、ひとつの考え方かもしれませんね。
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数年前にこのブログで、在宅勤務を楽だと感じる15の場面と、辛いと感じる15の場面という記事を書きました。
今回の記事は在宅勤務のいい部分を俯瞰して書いているのに対して、この記事(↑)は細かい部分に焦点を当てているほか、テレワークのマイナス面にもふれています。

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