コロナショックで会社がなくなり、自分の意思に反しながらも20年近く続けたサラリーマン生活が強制終了して、4年が経ちました。
今もときどき、振り返ることがあります。なぜ長年、会社員を続けたのか。どうして、やめようという意思をもてなかったのか。
実際にサラリーマンでなくなっても何も問題がないばかりか、いいことのほうがずっと多いです。
そう気づくのは遅かったかもしれない。だけど、気づかないで働き続けるよりはやっぱり、良かったように思います。
無理な働き方はもうしない。生活できるギリギリの労働をする
フルタイム勤務だった会社員時代は、毎日をすごくハードに感じていました。1日を仕事のために費やし、翌日もまた仕事の繰り返しで。
自ら選んだ仕事なのに常に、気持ちがふさぎがちでした。
働き方や勤務時間が自分に合っていなかったことが、サラリーマンだったころには実感できませんでした。
振り返って考えると、無理は禁物ということが身に染みます。同時に、少ない稼ぎでも計画的に使えば余裕をもって暮らせることも知りました。
あまり働かなくていいように、無駄な支出を減らした
サラリーマン時代を振り返ると、毎月決まった給料が入ってきていたからか、無駄遣いが多かったように思います。
あまり使わないサブスクに加えてハイシーズンの旅行、週末の外食など、高い買い物ばかりで。
平日に動けると、こうした出費が減ります。
時間は有り余るほどあるから普段の支出にも気が向くようになり、不要な出費がなくなりスッキリしました。
毎月のカードの請求書をみてみると、サラリーマン時代の半分も使っていません。
極端な節約やがまんはしない
とはいえ、がまんして無理な暮らしかたをしているかというと、そうでもありません。
要らない支出を全てやめて本当に必要なものを残すと、生活がシンプルになります。
平日の昼間に外食をしたり、出かけたりすると街は空いているし、買い物や食事もゆっくりできていい感じです。
ぜいたくな食事や旅行はしませんが、行きたいところへ行く、食べたいものを食べるということは十分できます。
つらいサラリーマン生活を20年近く続けたことを深く反省
サラリーマンという働き方が性に合っていないのでは?と、ぼんやり感じながらも働き続けていたころ。
病院に行くほどではない身体の不調をいろいろ抱えて、メンタルも不安定だったように思います。
深酒して翌朝、出勤できないこともよくありました。
そのたびに、飲みすぎて会社に行けないなんて人間失格なのでは?と心の底から悩みましたが、そもそも苦手な働き方を無理やりしていたんだということが今は、はっきりわかります。
サラリーマンをやめてからは、毎晩飲む酒が本当においしいです。手作りしたかんたんな料理を食べながらの晩酌が楽しく感じられます。
たまには深酒もしますが翌朝に影響することは少なく、今日は何をしようかと毎日、楽しみに目が覚めます。
つらいのに、サラリーマン生活を続けた理由
なぜ、つらいと感じながらもサラリーマンを続けていたかというと「この会社を辞めたら、雇ってくれるところなんてないのでは」という気持ちからです。
サラリーマンとして働き始めた数年後から、副業をして「転職しても大丈夫かもしれない」という気持ちにもなっていました。
でも「もし年収が大幅に減ったら?」「どこも雇ってくれなかったら?」という不安は無くなりませんでした。
自ら、会社をやめるという選択ができずにズルズルと働き続けたことは、我が人生における最大の反省です。
やめたところで、自分を雇ってくれるところが全くない、なんてことはありませんでした。
ただ、希望の仕事や職場が見つかりにくいことはあるでしょう。自分も無職のとき、仕事探しをして40社以上不採用になったときはさすがに凹みましたが、納得のいく仕事を見つけました。
そのときのことは、40社以上の連続不採用で考えた、メンタルを病まずに仕事を得るコツという記事にまとめています。
お金をかけなくても、豊かに暮らす方法はたくさんある
サラリーマンのころは、休日にはジムやエステに通うことに加えて、長い休みには海外旅行をしたり高いホテルに泊まったりということをよくしていました。
高いお金を出してぜいたくするのも楽しいけど、安くていい店や宿を見つけて遊びに行くことに、より楽しさを見出すようになった今日このごろ。
気持ちの面で豊かに過ごすためには、そんなにたくさんのお金は要らないかも。
時間があるから、興味のあることを深く学んだり、楽しんだりする時間がたくさんもてます。
最近は無料で手に入る情報を活用しながら、本当に必要と感じたことやモノには出費する感じです。
サラリーマンが辛かったのはなぜだろうと思い出してみる
ふりかえって考えてみると、会社員生活が辛かったのにはいくつかの理由があったと思います。
基本的に忙しかった
サラリーマンだったころは基本、週5フルタイムの勤務で、忙しさを感じていました。
残業や休日出勤もよくしていて「なんでこんなに働かないといけないんだろう」と、ずっと思っていました。
あまりにも忙しすぎるから納期を伸ばしてください、と申し出たときのこと
朝9時に出勤して終電まで仕事して、週末も休みなく働いても全然終わらない仕事を担当したときのこと。
クライアントに「とても忙しいから、納期を伸ばしてください」と申し出たら「あなたが忙しいことと、こちらの予定は無関係です。絶対に納期は守ってください」と言われたことがありました。
数ヶ月でこの仕事は終了しましたが、長引いていたら心身に不調をきたしていたかもしれません。
自分のキャパを超えた仕事をこなさなければいけない職場は現状も、なくなっていないようですね。
「もう無理」と感じたら、早めに逃げましょう。仕事を辞める権利は法律で定められています。
困ったときは、早めに動きましょう。身体や心が壊れてからでは遅いです。
やる気のない人が割といた
就職してみると「あまり働いていない人」がわりと多い印象を受けました。
お昼ごろホワイトボードに「営業」と書いて出かけたまま戻らない人や、会社にいても「この人いつ仕事するんだろう」という人も。
別の人がした仕事を自分がしたように上司に報告したり、仕事してないことを指摘されて逆ギレする人とかもいて。
自分が勤めていた会社だけの問題と思っていたけど、そんなに珍しい話ではないことを後になって知りました。
マウントされやすい
働いていると仕事の提案をしたり、不備を指摘したりする場面があります。
こういう場面でマウントされる人、多いのではないでしょうか。自分もです。
提案をすればその場ではけなされるものの横取りされ、不備を指摘すればキレられて「それならお前がやれ」と言われ。
こういう時はただただ疲れるだけで、どうしたらいいか分かりません。
仕事の広がりが少ない
就職活動するとき職場をよく選ばなかったりすると、仕事の幅が狭まります。
キャリアアップしようとしても福利厚生も少なく、自分でスクールに通ったり、教材を入手して勉強したりすることが必要です。
大企業で働けば、何かを学ぼうとしたとき会社から補助が出たりしますね。
仕事を通して学びを深めたり、自分を成長させたりできるかという視点は意外と大事でしょう。
ミスがあると強烈に責められる
業務上のミスに対して、個人の責任を追求しすぎる空気がある会社も、珍しくないでしょう。
仕事のシステムを変えないと、ミスをした人自身が気をつけるようになっても同じことが起こり続ける可能性が高いです。
ミスに対して過度な叱責があると、積極的に仕事と向き合えなくなりますね。
「せっかく正社員なんだから」という空気
同じ会社に勤め続けてしまうと「転職して同じ待遇の仕事が見つかるか?」と、目先の安定を守りがちになります。
本当はもう、その仕事をしたくないのに。正社員だからという理由だけで続けようとすると、年を経るごとにストレスは倍増するでしょう。
正社員なんだし、という考え方は今も根強いようです。
自分の経験上、周囲のこういう空気に流されて自分の意思とは逆に、したくない仕事を続けてしまったことを本当に反省しています。
サラリーマン時代にも少しだけ、いいことはあった
納得しないまま続けていたサラリーマン生活ですが、振り返ると会社員ならではの良さもいくつかあったかと思います。
だからといって戻りたいとは、1ミリも思いませんけれども。
収入が安定していた
安定した収入は、会社員の大きな醍醐味のひとつですね。
ただ勤続年数を経てくると、安定した収入を失うことに恐怖を覚えがちにもなるでしょう。
自分も、次の仕事が見つからなかったら、と退職をためらう人間のひとりでした。
ローンが組みやすかった
サラリーマンになったらやってみたかったことのひとつに、家を買うことがありました。
会社員になった5年後、小さなマンションの一室を購入しました。
25年のローンを組み、繰上げ返済をして15年で完済。ローン返済額は毎月5万円ほどと少額で、家賃を払うよりお得みがありました。
毎月、細々と支払いを続けながら住んでいましたが数年後、親の介護が始まって地元へ戻ることになり、買った家を離れることに。
あまり住めなかったのは残念ですがローンを終えた今、この部屋を貸すことでわずかながら収益を得られています。
有給休暇が取れるときもあった
忙しいことはあっても、有給休暇が取れることがあったのは懐かしい思い出です。
少し余裕があったとき全ての有給を消化したら、総務に「それはしてはいけない」と言われました。
なぜいけないのかは分かりませんでしたが、その後は全有給を消化するチャンスに恵まれなかったです。
サラリーマンはつらい働き方だと思っていたけど、そう感じていない人もいると知った
会社員として働いた20年弱を振り返ると、楽しいこともなかったわけではないけれど常に「やめたい」という気持ちを持ち続けていました。
サラリーマンでなくなってみて、冷静に周囲を見渡すと。サラリーマン生活を割と楽しんでいる人も少なくないことを感じました。
それと、ハローワークへ失業手当の申請に行くと「無職でいるなんて大変!次の就職先を探しましょう」といった指導が入ります。
つらくないサラリーマン生活なんてあるのかと一瞬思ったけど「もしかして?」という期待があり、無職になって数ヶ月、再就職活動をしました。
懲りないですね。
サラリーマンにも向き、不向きがあると実感
いくつかの正社員募集に応募し、企業へ面接を受けに行きました。
面接のためにオフィスを訪れると「あ、これは!」と、会社員時代に行くのがつらくてたまらなかった職場の空気をあざやかに思い出しました。
一瞬でも「もしかして気持ちよく会社員ライフを送れる?」とブレたことを後悔しながら、家路につきました。
サラリーマンライフを謳歌できる人もたくさんいるし、そうでない自分のような人もまた、珍しくないということですね。
パートで生活費を、自営業で小遣い稼ぎを
確定申告の時期になり「2023年は自営業であんまり稼げなかった」と思いながら、申告書の準備をしました。
サラリーマンでなくなってしばらくは「自営で働こうか」と考えていたこともあるのですが「自営一本だと収入が安定しない」と実感して、いまはパートと自営のかけもちです。
こうしてウェブサイトを運営したり、不動産や株を運用したりする自営と、在宅パート勤務とを併用して、のんびり働いています。
パートは週3回半日ほどと、ゆるめのタイムテーブルです。休みたい時には積極的に休むようにして、働きすぎとは無縁です。
パートの仕事は探しやすい
最初は要領を得ずになかなか、仕事が決まりませんでしたがパートの仕事は探しやすいし、面接もリモートで済むものが多くて気軽です。
正社員だと何回も面接があったり、適性検査や論文を課されたりとひとつの募集に時間がかかりがちですが、パートは割とスムーズに選考が進む印象をもちました。
年齢的なことを考えて主婦向けの求人サイトで探してみるとより、マッチングしやすかったように思います。
主婦向けの求人サイトにもいろいろありますが、自分がよく使うのはママワークスやしゅふJOB、はたらこねっとあたりです。
ちなみに、いましている在宅パートはしゅふJOBから応募したものです。
サラリーマンを辞めて本当に良かった
サラリーマンとして働くことがつらいかどうかは、個人的な考えによるところかもしれません。
でもこちらはサラリーマンでなくなってみて、本来の自分を取り戻せたように感じています。
生活のいろいろな場面で明るく、前向きな考え方ができるようになっているのを実感することもよくあります。
この記事を読んでくれているあなたがもしも毎日、会社に行くことがつらいなら。
一度立ち止まって考えてみませんか。
こんなに働く必要はあるのか、どれくらいあれば生活できるか、と。
自分にふさわしい仕事や働き方、働く時間で生活してみると、心や身体がすごく元気になる実感があると思います。