のちに潰れる会社のテレワーク社員だったころ。感じていた予兆や変化、そして後から気づいたこと

コロナ解雇

正社員テレワーカーとして10年ほど、零細企業で働いたことがあります。

当初は通勤していましたが入社から数年後、在宅勤務を打診され家で仕事することに。

勤め始めてから10年近く経ち、在宅ワーカーになった頃から「この会社はいずれ潰れてしまうだろう」という予兆のようなものを感じ始めました。

でも自ら退職することはなく、社員として会社の行く末を見届けるまで居座ること数年。

入社してしばらく、通勤ワーカーだったころは「会社が潰れたら、自分を雇ってくれるところは見つからないのでは」と思っていました。

テレワーカーになるころにはキャリアや年齢を重ねたりしたからか「会社が潰れてもまあ、なんとかなるんじゃないかな」という気持ちに。

実際、会社が潰れても仕事が見つからないということはありませんでした。ただ、見つけるのに少し時間がかかりましたが。

  1. いずれ潰れるかもこの会社、と思った11の瞬間
    1. 取引先から契約を切られる、あるいは取引先がつぶれる
    2. 取引先が増えない
    3. 新しい事業や業務改善について考えない
    4. 事業が失敗しても撤退するだけで原因を追求しない
    5. 会議が長すぎる。しかも無駄話が多い
    6. 社員が円満でなくなる
    7. パワハラやいじめがよく起こる
    8. クレームや事故があると担当社員一人に責任を負わせ、その後の対策をしない
    9. 仕事の共有がスムーズでない
    10. 同族だからという理由だけで要職に就いている
    11. エンドユーザーが満足しているかどうか分からない
  2. つぶれそうな会社は仕事ができる人からやめていく、は本当か
  3. 給与の不払いや減額が起こるようなら、残念ながら未来はないかも
  4. 会社が潰れそうだけど、できればやめない方がいい場合もある
    1. 子どもが小さい
    2. 近いうちに別の会社に吸収・合併される可能性がある
  5. 【体験談】潰れるとうすうす分かっていながら、会社をやめなかった
    1. どうして正社員なのにやめるの?の問いに答えられなかった
    2. 会社員をずっと続けたいとは、思っていなかったけれど
    3. 会社をやめたかったのは、フルタイムがキツかったから
  6. 【勤務先が潰れたあと】稼いでいる企業で働いてみると
    1. チームワークが抜群
    2. 新規事業に人とお金をきちんと使っている

いずれ潰れるかもこの会社、と思った11の瞬間

正社員テレワーカーとして働き始めたころから、勤務先の経営はじょじょに悪化しました。急にではなく、ゆっくりと。

当初は努力すれば持ち直せるのでは、という思いもありスタッフ一同がんばっていました。

しかし悪化の一途をたどるうち社内の雰囲気もどんよりとして、人間関係もなんとなくおかしくなったように思います。

覚えているだけでも「この会社潰れる?」と思った瞬間が何度かありました。後から気づいたこともいくつか。その主なものを紹介します。

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取引先から契約を切られる、あるいは取引先がつぶれる

自分が入社した当初は取引先も多く、会社にはよくいろいろな人が訪ねてきていました。

しかし年を経るごとに一つ、二つと取引先が消えていき売り上げも減少。

取引先の中にはつぶれてしまうところもあり、そのたびに人ごとではないような気がしていました。

古くからの取引先の人が「昔はもっと人が訪ねてきていたよね、この会社」とポツリとつぶやいたときのことは忘れられません。

人の往来の多い、少ないは業種やその企業の個性などにもよるかもしれませんが、昔は多かったのに今はね、と言われると少し寂しい気もします。

取引先が増えない

取引先が少し減っても、それ以上に新規顧客を掴んでいれば問題はありません。

以前勤めていた会社では、がんばっても取引先が増えることはあまりありませんでした。

営業力の少なさに加えて、メインで取り扱っている商品がだんだんと需要をなくしていき、取引先の増える気配はなく・・・潰れる前兆です、いま考えると

新しい事業や業務改善について考えない

新しい事業について考えることをやめてしまったら、企業の未来は考えにくいのではと思います。

業務改善についても同じかと。周囲に提案してもスルーされるくらいならいいですが「忙しくてそんな暇ないし。なんなら担当変わってくれる?」と言われたときは転職を考えました。

3ヶ月後、その勤務先はつぶれてしまいました。

事業が失敗しても撤退するだけで原因を追求しない

そのときは「この会社潰れる?」とは思わなかったものの、今考えると・・・的なこともありました。

新規事業に取り組んだときのこと。10名規模の会社で数千万円かけての、それこそ巨大プロジェクトでした。

5年ほど取り組んだものの利益に繋がらず撤退することに。あれは失敗だった、手を出さなければ良かった、という締めくくりだけでした。

何らかの改善策や反省などをして次の機会を探す、ということがされないのは大きな問題だったかもしれません。

会議が長すぎる。しかも無駄話が多い

テレワーカーになってから、会議へはオンラインで参加するようになりました。

業務に関することよりも無駄話が多くて。1人が9割がた話をして、他のみんなは相槌を打つような感じで。

オンラインで参加しながら別の仕事をしていたのが懐かしいです。

長時間話し合うことも時には必要かもしれませんが「参加している人数と時間を換算すると、会議にどれくらいのコストがかかるか」といったことを考えると、無駄話はあまりできないように思います。

会議でいろいろ話さなくても、帰りに飲みに行けば存分におしゃべりはできますしね。

社員が円満でなくなる

潰れてしまった元勤務先も、自分自身が入社したころは景気も良く社員旅行なども行われていました。

社員同士の風通しも良好だったように思います。クリスマスや誕生日にグループで食事に行ったりして。

儲からなくなってくるとそうしたこともだんだんと減り、一緒に仕事をしていても何を考えているのか分からないことも増えていきました。

ある時、先輩の仕事に間違いを見つけて「ここ、間違ってませんか」と指摘したら逆ギレされるという妙な事態も経験しました。

ミスの処理は、その先輩以外のスタッフで静かに行われました。これおかしいよね、とみんなで思いながら。

パワハラやいじめがよく起こる

テレワーク社員になって久しぶりに出社したときのこと。在宅勤務になる前、席の近かった同僚と2人で話す機会がありました。

どうやら悩んでいるらしく、話を聞いてみると上司からのパワハラにあっているというのです。

そのときは、あの上司ならやりそう!と他人事に捉えていました。

同僚には、別室に来なさいと言われたら誰かに同席してもらうことや、会話は録音することなどを提案しました。

ほどなくして私も、その上司からのパワハラにあうことになるとは、そのときはまだ予想していませんでした。

クレームや事故があると担当社員一人に責任を負わせ、その後の対策をしない

勤務先が潰れる10年ほど前、自分の担当していた製品でミスがありクレームにつながったことがあります。

クレームがあれば謝罪、ミスがあれば修正し、その後同じようなことが起きないようにするということが、この勤務先にはありませんでした。

代わりにそのミスでどれくらいの金額、会社が損をしたか。それを補うために半年間減給処分とする、という知らせがありました。

一応の改善提案なども行われましたが同様のミスは別の仕事で何度か起こり、そのたびに担当者はそれぞれ減給処分を受けていました。

だんだん仕事の目的は「ミスをしないこと」になり、顧客満足や業務改善などは手薄に。

こうしたことも今考えると、潰れる前ぶれだったのかもしれません。

仕事の共有がスムーズでない

以前、正社員として勤めていた会社では、業務を交代したり引き継いだりすることがあまりありませんでした。

特に、潰れるまでの数年は新入社員はおろか入社する人がいなくなり、同じ仕事をずっと同じ担当者が受け持つスタイルになっていました。

あるとき会議で「情報共有や業務改善がスムーズなように、1年ごとに担当する仕事を交代してみませんか」と提案しましたが誰も賛成する人はいません。

そのときは「何か変なこと言ったかな私」と感じる程度でした。

でも今思うと、担当を交代したりして自由な意見交換や発想のリニューアルがされないのは、企業としてあまり健康な状態ではなかったのかなと思います。

同族だからという理由だけで要職に就いている

自分が入社した時には、その会社がのちに潰れてしまうことはまだ予想できませんでした。

創業以来50年ほど赤字を出したこともなく、中小企業にしては給料やボーナスに恵まれており満足して働いていました。

しかし入社から数年後、社長が創業者の同族に交代。

交代した人はかつて親族のコネで、地方では比較的大きな企業に就職がほぼ決まっていたものの、事前研修で入社を断られてしまったというエピソードをもつ人でした。

トップが変わると、半世紀のあいだ黒字を保った会社は翌年すぐ赤字に。

経営はじょじょに傾き、再び上昇することはありませんでした。

エンドユーザーが満足しているかどうか分からない

会社員時代、仕事で悩んでいたことのひとつに「自分が作ったものは喜ばれているのか、便利に使われているのか」ということがありました。

というのも、のちに潰れてしまった当時の勤務先はいわゆる手数料ビジネスの会社で、自分たちで作ったものをエンドユーザーがどんなふうに使っているかということがあまり分からなかったのです。

手数料を多く支払うか、少なく支払って多く売ってもらうか。ビジネスの中心はどうしてもそこになってしまいました。

もう少しエンドユーザーに寄り添う動きがあれば、のちのち見える景色はまた変わっていたかもしれません。

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つぶれそうな会社は仕事ができる人からやめていく、は本当か

優秀な人ほどやめやすい、というのは本当でしょうか。

そういう会社ばかりというわけでもないのかな、とも思います。

社内ベンチャーを立ち上げたり、新しいビジネスに取り組みやすかったりする姿勢がある会社や、福利厚生が十二分に素晴らしい会社などは、優秀な人も長年働く傾向にあるのではないでしょうか。

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給与の不払いや減額が起こるようなら、残念ながら未来はないかも

潰れてしまった元勤務先では給与の不払いはありませんでしたが、担当している仕事にミスが出たとき減給処分を受けたことがあります。

減給処分を受けたのは、その会社の経営が傾き始めた直後でした。

在宅勤務でオンラインではあったものの、大勢のスタッフの前で叱責され減給の通達がなされました。

社内が自分にしばらく、白い目を向けていたことを思い出すと今も気持ちがザワザワします。

その後、同様のミスがよく起こるようになり減給を受ける人もちらほら。しばらくするとなぜか、減給制度はなくなりました。理由はよくわかりません。

ほか、副業で請けていた仕事の報酬がいきなり半額になり驚いたことも。

金銭的、精神的にスタッフを追い詰める会社に成長や発展はないように思います。

会社が潰れそうだけど、できればやめない方がいい場合もある

潰れそうな会社に勤めながら、やめようと思っても踏ん切りがつきませんでした。

それは、親の介護がやはり大きかったように思います。やめたあと、テレワークで正社員の仕事が果たして見つかるのか。そして、その仕事は介護をしながらできるものなのか。

それを考えると、やめたい気持ちが大きいのに退職には踏み切れませんでした。

そして介護が終わってからも「もうやめていいかな私」と思いながら、やめるという決断ができず数年。会社が潰れる形でサラリーマンをやめることになりました。

☆介護しながら仕事をしていたときのことは「在宅ワークで親の介護をした4年を振り返る」という記事にまとめています。

子どもが小さい

介護と同様、子育てをしている間は安定した収入を手放しにくいかもしれません。

ただ子育ては介護と違って多くの場合、ある程度のリミットが見えています。

子どもが小さいから転職とかはちょっと、とお悩みの場合は長いスパンで、何年後なら会社を辞められる、転職活動ができるなどの計画が立てられるかもしれませんね。

ただ仕事があまりにも忙しかったり自分に合っていないかったりして苦しいなら、なるべく早くやめる方向で調整してください。

心や身体を壊してしまうと、治るのに時間がかかります。特に心は、一度壊れると治らないかもしれません。

お悩みならどうか、どうかお早めに。

近いうちに別の会社に吸収・合併される可能性がある

これは前向きな「辞めないという選択」でしょう

特に、現在の仕事には前向きだけど、会社の体力に不安がある・・・というとき。吸収合併の話があるなら留まってもいいかもしれません。

もしも吸収合併されて仕事や待遇が変わるようなら、そのときに転職を考えても遅くないのではと個人的には思います。

【体験談】潰れるとうすうす分かっていながら、会社をやめなかった

この会社潰れるかなと思いながら勤め続けて10年経ったころ、予想は現実になりました。

退職に踏み切れない理由だった介護も終了し、勤続する明確な理由がなくてもなんとなく居座ったまま、会社員生活は自動的に終わりました。

どうして正社員なのにやめるの?の問いに答えられなかった

30代の後半くらいから「会社辞めたいんだよね」と周囲に話すと「その歳で正社員なのにどうして?」とよく聞かれるようになりました。

でも、ただ漠然と辞めたい!と思っているばかりで。

副業をいろいろしていても、辞めてそれらで報酬を得ようとしたら今より苦労するのではないか、という不安もありました。

サラリーマンいつまで続けるんだろう、私・・・と日々思いながら、自分から行動を起こすことはありませんでした。

そのことを今も、後悔しています。もっと早く辞めればよかったです。

会社員をずっと続けたいとは、思っていなかったけれど

経験として会社員をしてみて、数年で辞めて別の稼ぎ方をしたいと思っていました。

副業をしたり勉強をしたりして「辞めてもたぶん大丈夫」という手応えを得たのは40代の手前でした。

踏ん切りがつかずに結局、会社が潰れるという形でサラリーマン生活が終了するわけですが、サラリーマンでなくなってようやく、満足して毎日を過ごせているかなと思っています。

会社をやめたかったのは、フルタイムがキツかったから

自分の意識として、会社をやめて別の働き方をするなら収入面ややりがい面で飛躍しないとヤメ損なのでは、と考えていました。

会社をやめたら飛躍できるんだろうか私・・・と、変な不安をずっと抱えていました。でも実際に会社員でなくなってみると、平和で楽しい毎日が待っていました。

収入は減りましたが、使う分だけ稼げているのでこれ以上必要とは思いません。

それより本を読んだりネットを見たり、自由に使える時間が圧倒的に増えたことはこの上ない財産です。

自分の「会社辞めたい」の本心は、もっとゆっくりしたかったということだったと、サラリーマンを強制終了してやっと理解できました。

毎日朝から晩まで働くのしんどい、それだけのことです。

【勤務先が潰れたあと】稼いでいる企業で働いてみると

会社が潰れて、いまは小さなベンチャー企業で在宅パートスタッフとして働いています。

週3回半日の勤務で基本、テレワークです。自分としては理想的な環境で、ありがたく仕事しています。

今度の勤務先は業績もいいようで、社内に活気がみなぎっていることが在宅勤務しているこちらにも伝わってきます。

潰れそうな会社と元気な会社の違いを目の当たりにして、学ぶところも多い日々です。

チームワークが抜群

新しい勤務先で働き始めたころ、何度か事務所を訪問してみるとスタッフの人たちは服装や髪の色、アクセサリーなどかなり自由で、いい印象を受けた記憶があります。

ゲームや趣味のグッズが置かれて、仕事に飽きると遊んでいる姿も。

チームワークは抜群。それぞれの役割をきちんとこなして、こちらの見ている限り仕事が滞ることはありません。

短いスパンで成果を出してくるので、こちらも爽快な気分になります。

新規事業に人とお金をきちんと使っている

入社して少し時間が経ったころ、幹部スタッフから「新規事業という目標を持って取り組んでいる」という話があり、事業計画についてかんたんに聞きました。

新しく始めた事業が軌道に乗ったら、また新しい事業に取り組みたいとのこと。新しく始めた事業が伸びているのでそろそろ、と楽しそうに語っていました。

なんかいい会社で働かせてもらってるな〜と思うと同時に、こういう環境をもっと早く、自発的に探して仕事をすればよかったという気分になっています。

働く場所や、一緒に働く人って大事だなと思います。

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