「家で仕事をしたいけど、どこで探したらいいか分からない」という悩みを持つ人、多いかと思います。
在宅ワークは今とても人気があるので「応募しても不採用ばかり・・・」という方もいらっしゃるでしょう(私もそうでした)。
でも、適当に探して変な仕事に当たってしまったら残念。時間も心も身体も消耗しそうです。
ここでは体験談を交えて、在宅ワーク求人を探して10年以上いろんな仕事を受けてきた中で得た「在宅ワークの探し方」についてお話ししようと思います。
どこに住んでいても応募できる在宅ワークの主なもの
在宅ワークは基本、家で仕事をするから「全国どこに住んでいても応募できる」という魅力があるように見えます。
でも、在宅ワーク求人を見てみると「週一回ミーティングのために出社」とか「慣れるまでは出社」と書いてあるものがよくあります。
どこからでも応募OKな求人は、少し限られているのが現状です。
例えば、大企業のカスタマーセンターなど。アマゾンやアップル、レノボ等は随時、在宅ワーカーを募集しています。
仕事内容としては、コールセンターなどのカスタマーサポート業務が中心です。
こうした会社で働くと商品を割引価格で買えたり、有給休暇がもらえたりするのも魅力といえるかもしれません。
在宅ワークといっても「全国どこからでも応募OK」の仕事はまだ少ない
「どこに住んでいても、働ける時間が限られていても在宅勤務なら」と思って仕事を探しても、地方に住んでいたりすると見つけにくいのが現状です。
少し前に関西の知人が「東京よりも在宅ワーク率が低いんとちゃうやろか。電車満員やし在宅勤務の会社員とか、まわりであんまり聞かへん」と言っていました。
そうなんだ〜と思って調べてみたら、実際そうらしいことがわかりました。
少し前のデータですが、国交省がが発表した「新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う現時点での社会・国土の変化について」という資料の中に「居住地でみた都道府県別テレワーク利用率」という調査結果がありました。
2020年12月時点で、何らかの仕事をしている人にインターネット調査で「在宅勤務しているかどうか」について聞いてみたら、東京では3割の人が、千葉・埼玉・神奈川では2割強の人が「在宅勤務している」と答えたという結果が出ています。
「首都圏の一都三県以外は、おしなべて2割より低い」という結果も興味深いです。
感染者を増やさないために提唱された在宅勤務だけど、最多の東京でも在宅勤務者3割では心もとない気がしますね。
こうした結果をみても、首都圏以外では在宅ワークを探すのが現状はまだ難しいかもしれません。
ただ、全くないわけではないので、根気よく探してみましょう。
在宅の仕事をメインに扱っている求人サイトを見てみる
数は少ないですが、在宅の仕事をメインに紹介する求人サイトはいくつかあります。
ママワークス
ママワークスは10年以上前から利用していて、今もたまに求人を見たりします。
子育て中のお母さんも働けるように、という意味でママワークスという名前になっているようですが、ママである必要はないので安心してください。
リワーカー
「リモートワーク」「副業可」「フリーランス」「時短勤務」など、新しい働き方の求人だけを紹介するメディアです、とトップページに書かれています。
リワーカーは働き方が本当に多彩で「海外在住者OK」「週1回から可」といった求人もたくさん掲載されています。
コールシェア
在宅コールスタッフの仕事に特化して探せる【コールシェア】。未経験OKとうたっているのが大きな特徴です。「在宅の仕事が決まらない」とお悩みの方はサイトを見てみるといいかも。
子どもを見ながらでもいいし、急なお休みも大丈夫という自由度の高さも魅力的です。
コールセンターの仕事はテレワークの中でも数が多い、と就職あっせん会社で聞いたことがあります。
たしかにコールセンターって、日常生活でもよく利用します。需要の多い仕事といえるかもしれませんね。
大手求人サイトの「在宅」カテゴリに目を通す
大手求人サイトは検索する時、勤務形態のカテゴリなどで「在宅勤務」を選べるところが多いです。
アルバイトやパート、派遣、正社員と広く探してみると、希望の在宅ワークが見つかるかも。スタンダードな大手求人サイトを見てみましょう。
マイナビバイトでは「在宅ワーク・内職のバイト・アルバイト」で全国的に求人特集を探せるし、engageにも「アルバイト・パート×テレワーク・在宅OK」というページがあります。
勤務形態欄などに「在宅勤務」の項目がなくても、多くの求人情報が載っている大手求人サイトなら、フリーワード検索をすると、比較的多くの在宅ワーク求人を探せます。
ハローワークで「在宅勤務可」求人を探す
ハローワークの求人サイト「ハローワークインターネットサービス」でも、在宅勤務に限定して検索できます。
エリアを区切らず広く検索してみると、863件の求人が出てきました(22.3.4現在)。
仕事内容はプログラマーやwebディレクターなど資格や技能がいるものも多いですが、中には事務やコールスタッフ等、資格や経験を問われないものも載っています。
ただ「週1回在宅勤務」とか「在宅勤務日あり」という求人が割と多い印象です。「ある程度、出勤する日があってもいい」という場合は、ハローワークの情報も役に立つのではと思います。
ハローワークというと出向いて紹介状をもらわないといけないイメージですが、今のところは(感染拡大防止のために)電話すると紹介状を郵送してくれるので少しハードルが低いかもしれません。
特技があれば、それを生かして在宅の仕事をするのもアリ
特技や趣味を生かして、在宅で働くことができたら嬉しいですね。
ネットフリマなどで手作りの服やアクセサリーを売っている人を見かけると、とても羨ましく思います。
こうした手作り系に限らず、あらゆる特技をネット上で売り買いできるシステムが最近はたくさんあって、たまに覗きます。
CMで有名になったココナラのようなスキルマーケットや、クラウドワークスやビズシークに代表されるような、ネット上から広く仕事を発注する「クラウドソーシング」系のサイトにも、在宅ワークの仕事がたくさん載っています。
掲載中の案件を見てみると。
◆ココナラ
確定申告のお手伝い
ホームページ用アイコンの作成
猫のイラスト作成 など
◆クラウドワークス
脱毛サロンの市場調査
不動産会社・住宅会社の調査(住宅展示場調査業務)
商品紹介サイトの記事執筆(経験者優遇) など
◆Bizseek(ビズシーク)
AGA治療クリニックのアンケート調査
覆面調査アンケート
指定された商品を使ってのレビュー執筆 など
ただ、全体的に作業単価が低いものが多かったり、個人間取引もあったりするので、利用するときは気をつけたいところです。
【体験談】「担当者と反りがあわない」「各種ハラスメント」は想定内で
在宅ワークの仕事が見つかって、張り切って働こうと意気込んでいても「なんか担当者と気が合わない・・・」ということがたまにあります。
これは自分の性格によるところも大きいかもしれませんが、こうなってくると仕事が辛くなってきて、いいパフォーマンスをしにくくなるように感じます。
一方で「これは、ハラスメントなのでは?」という思いをすることもあります。過去、自分もいくつか「ハラスメント的な仕事」に当たってしまいました。例えば、
◆夜中に何度も電話がかかってきて、すぐに修正するよう強要された
街なかのお店を取材して記事にするという仕事でした。仕事を請けた時はまだ会社員だったので、できる作業量に限りがあることを了承してもらった上でスタートしました。
作業量を増やしてほしいと言われたり、夜中に何度も電話がかかってきてすぐに修正するよう指示されたりしたので辞退を申し出ました。
◆知らせもなくギャラが半分になった
企業のホームページにコラムを書く仕事。急にギャラが半額になって振り込まれていたので「間違っています」と連絡したら「今月からその金額になりました」と言われました。
「聞いてないですよ」と言うと「もう社内で決まったことなので」と言われたので即、辞退しました。
事情も含めてあらかじめ知らされていれば、ギャラ減額でも続けることを考えたかもしれません。
◆休みなく15時間労働で急いでも、電話で「早くしろ」と怒鳴られた
とある役所から受けた、パンフレット制作の仕事。納期まで時間がなく、朝9時から夜12時くらいまで働いても間に合いそうになくて「納期を伸ばしてください」と連絡をしました。
「こちら一人で作業していて、土日なく朝から晩まで大変なんですが・・・」と言ったら「そんなのこちらには関係ない。期日までに必ず納品してください」と怒鳴られました。
翌年、改訂版を作るようオファーがありましたがもちろん断りました。怒鳴られた電話を録音しなかったことが悔やまれます。
◆「今月から本格的に発注しますね」と言われて、翌月には発注ストップに
「作業量を最初は少しずつにして、慣れたら増やしましょう」と言われて始まった仕事。企業のウェブサイトに、担当者として記事を書くゴーストライターです。
月初めに指示があり、それに沿って進める方針の仕事でした。修正指示が多かったので、担当者の希望に沿うよう努力して2ヶ月ほど経ったところで「今月から本格的に発注しますね」と言われてホッとしました。
本格的に発注を受けて一ヶ月後「今月の指示がないなあ」と思っていたら、月半ばに差し掛かるところで「今月から発注やめます」とチャットで一言連絡があり急に終了しました。
契約書を交わしていなかったので、それに対して意義を申し立てることはできませんでした。
これらは10年の間、たくさんの仕事をした中で特に印象に残っている事例です。きちんと接してくれる企業・担当者のほうがもちろん圧倒的に多いです。
でもこういうことはやはり、まれには起こります。なので在宅ワークがやっと決まっていざ仕事!というとき、
- 報酬がきちんと支払われるか(安すぎないか)
- 余裕を持った納期か
- 何かあったときにこちらの都合を汲んでくれるか
- 書面で契約のうえ仕事がスタートするか
ということに気をつけて、仕事を始めるようにしてください。在宅ワークに限ったことではありませんが、会社や担当者によってはしんどい思いをしてしまうこともあるでしょう。
そんな時は無理に続けようと思わずに、可能な限り早めに契約を切りましょう。
あまりに状況がひどい場合は、そのことを告げた上でやめてもいいと思います。
その在宅ワーク、あんまり稼げないかも
「そんなに稼げなくてもいいから、経験を積みたい」という考え方もあるかもしれません。でも、適正な報酬が支払われない仕事は、やはりしないほうがいいでしょう。
特に業務請負の仕事などは、やり始めてみると「時給換算したらほとんど稼げてなかった」ケースはよくあります。
取り組んでみたい在宅ワークの求人が見つかったら「この仕事は妥当な報酬を受け取れるかどうか」を確認しましょう。
始める前から正確なシミュレーションをするのは難しいし、スタートしてみないとわからないこともありますが、まずは報酬と作業量に問題はないか、しっかり確認してから始めるようにするといいと思います。
在宅ワーク詐欺に注意
求人情報検索サイト「indeed」のコラムに「在宅ワーク詐欺とは」という話題がありました。
コロナショック以降、在宅勤務したい人が増えてきたのに伴って、在宅ワーク詐欺も目立ってきているようです。
indeedによれば在宅ワーク詐欺とは「詐欺師が自分の利益のために虚偽の求人を作成して、個人情報や金融資産などを盗もうとすることを言います」とのこと。
事例として「少額賃金を支払ったあと金銭を要求される」「勧誘の要求」「研修費用の請求」などが挙げられていました。
こうした詐欺的な求人に騙されないように、応募しようとする企業の評判についてまず、調べておくと安心です。
帝国データバンクなどで有料の企業情報を取得するのがベストですが、応募のたびに料金を支払って情報を得るのは大変です。
無料の企業情報サイトFUMAを使ったり、社名でランダムに検索したりして出来るだけ企業情報を多く得てから仕事をスタートするといいでしょう。
在宅ワーク詐欺まがいの会社に当たった時の記事「在宅ワークは怪しい求人も多い。仕事の探し方と怪しい仕事への対処について」もありますので、よかったら参考にしてください。
自分の希望や考え方、ライフスタイルにあった在宅ワークを見つけて、家でのびのびとマイペースに仕事ができるといいですね。