「野菜を植えようと思うんだけど」とパートナーに言われた3年前。
多分すぐ飽きるだろうと思いながら、土やタネ、肥料を揃え、毎朝水をやる姿を横目で見ていました。
種からの栽培には早々に失敗して「まー、こんなもんか」と思っていると、今度は苗を買ってくるではありませんか。
トマトとスイートバジル 、ししとう、それにシソ。植えて一週間もするとそれぞれに収穫できる状況になりました。
「適当にとって、料理に使ってね」と言われ、何気なく収穫を任されました。
虫嫌いな私に野菜の収穫はしんどいなあと思っていたのですが、家庭菜園で細々と育てている場合、そんなに気になるものではない感じです(全然虫がつかないわけではないけど)。
「トマトとスイートバジルはあんまり好きじゃない」早く言え!
トマトやスイートバジル、ししとう、シソを使った料理を提案すると、前者2つに関してはどんな料理も「うーん」という回答です。
普段からあんまり食べないもんね・・・・。結局、トマト・スイートバジルは私がヘビーユースする結果に。
シソは冷奴に、ししとうは炒め物に混ぜて細々と使っておりました。
そうこうしているうちにお盆休みになり、一週間の予定で旅行へ行くことに。
その間の野菜たちのために、空になった大きなペットボトルに水を入れて蓋をし、蓋に小さな穴を開けて水が少しずつ行きわたるように土に挿して出かけました。
一週間後、帰宅すると野菜たちはほぼ全て枯れており、ペットボトルはどこかへ飛んで行ったのか姿が見えませんでした。
「終わった・・・」という感じ。その夏は特に猛暑で、野菜たちには悪いことをしました。
かろうじて、ししとうだけ一部生き残っている形跡があり、その後しばらく水をあげ続けました。しかし、ししとうの生死はよくわからないまま夏は終わりました。
翌年の夏、ししとうよみがえる
秋を迎え、だんだんと気温も下がって家庭菜園のことは徐々に忘れました。
ベランダの隅に残骸を横たえていましたが、だんだん見ることすらなくなりました。
春になり、ししとうが葉を茂らせてきて本当に驚きました。これは奇跡の生還なんでしょうか。
秋からこちら、肥料はおろか水をやることも忘れていたししとう。
こちらの関心をよそにどんどん大きくなり、一年前とは比較にならないくらいの生命力を見せています。
実もガンガンになってきて、緑色のが大きくなると赤く変わり「早く収穫しろよ!」と急かされているようです。
スーパーで売っている小さなパック2つ分くらいを一週間で収穫できるようになりました。
気を良くしてきゅうり、シソ、ナス、ピーマンを追加
ししとうの生命力に気を良くしたのか、パートナーは近所できゅうりとシソ、ナス、ピーマンの苗を仕入れてきて小さなベランダの家庭菜園に所狭しと植えていました。
きゅうりは数日で枯れ、シソとなすとピーマンはかろうじて生き延びている感じでした。
そしてまた数日経ったある日、朝から風が強いなあと思いながらふと、窓の外を見るとピーマンの苗が折れていました。
折れた苗にもしばらく水をあげ続けたものの復活せず、一つだけ実をつけてくれたピーマンはお別れとなりました。
そして、ピーマンに別れを告げた頃からナスに生命力が宿りだしました。ピーマンにいくはずだった栄養分を、ナスが得はじめたんでしょうか。
その夏、我が家の家庭菜園の勢力分布図は、ししとう>なす>シソとなりました。
ししとうは2年目の貫禄を、なすはピーマン亡き後の責任感を、そしてシソはテキトーさを示したような在り方に見えたり、見えなかったり。
たまたまなのかもしれませんが振り返ってみると、ししとうとなすは家庭菜園初心者、かつ虫が苦手な我が家でも、比較的育てやすかったと言えるかもしれません。
最初は気が重かったけど、家庭菜園にはいろいろな利点があると知った
野菜を育てる?あの狭いベランダで・・・パートナーが野菜の種を買ってきたときは、全然乗り気ではなかったです。
むしろ反対したい気持ち満載で。
でも収穫できるころになってみると。獲りたて野菜のおいしさに感動するし、緑のあるベランダはテレワークの合間にちょっと目をやるだけでもかなりの癒しになることが分かりました。
あと、野菜たちをよく見ていると「こんな風に生えるんだ」という発見があることも楽しいです。
土にふれる機会がなく育ったひ弱な人間には、新しい世界がひとつ増えたような感覚があります。
シシトウやピーマンを生で食べられるなんて
スーパーなどで売っているシシトウやピーマンを、生で食べたことはありませんでした。
獲れたての野菜がおいしいので「これ、生でも食べられるかな」と思って試しに食べてみると、火を通すよりさらに美味しかったです。
きゅうりなんかも獲れたてはメロンのような味。
獲ったばかりの野菜を食べられるのは、家庭菜園の一番の醍醐味なのではないかと思います。
オクラは輪切りにしてレンチン。すりごま・しょう油が最高
オクラは輪切りにした後、レンジにかけて食べていました。ものによってはスジ張っているものが多かったからです。
輪切りにすることで繊維が断ち切れて、スジが気にならなくなります。
切ったとき多少の筋っぽさを感じてもこの食べ方ならおいしく食べられるようです、獲れたてだと。
万能すぎるシソ
いうまでもなく、シソは夏野菜のなかでも特に使い勝手のいい野菜です。冷奴やそうめんの付け合わせや餃子、パスタ、焼肉・・・どんな料理にも使えます。
1枚だけ獲って使えるのもうれしいところ。市販のものだと使いきれなくて余らせてしまうこと、ありませんか。
ただ、下の写真のようにキレイな形にはならないんですよね。もう少し修行が必要かも。
でも近年、我が家では市販のシソを買わなくなりました。味は家庭菜園のものも、すごくおいしいから。
市販の、できるだけナチュラルな農薬を使っているものの
いざ、野菜たちを育て始めてみると意外と虫はつくもので、ナチュラル系の農薬を買ってきて与えるのですが値段が結構するんですよね。
我が家で使った農薬については別記事「本当に育てやすい野菜とは。素人が家庭菜園で失敗していない4種類」にまとめています。
ただ、市販のものは本当にナチュラルかどうかの判断は難しいですよね。どうしたものか・・・と思っていたら専門家の寄稿を見つけました。
「自然農薬の作り方と使い方」という記事です。ありがたく読ませていただいています。
実践はこれからですが、家にある材料で作れそう。噴霧するときに使うスプレー、100均で買ってこよう。
毛嫌いする必要はないけど、虫の存在はそれなりに気にする方がいいのでは
虫にできるだけ触りたくないので収穫時は、植物本体に触らずハサミとザルを持って、切った野菜をザルでキャッチし、そのまま台所に直行して水で洗います。
切った野菜からウヨウヨと虫がわいてくることがあり、最初はゾッとするばかりでした。
でも、虫が喰うほど新鮮でおいしいんだと自分に言い聞かせていたら割と慣れてきた気も。サイズの大きな虫だと今も背筋が寒いけど。
ただ、メディアのニュースなどで猛毒を持つマダニやヒアリの人への被害を知るにつけ、家庭菜園とはいえ虫には気をつける必要があると日々思います。
我が家の小さな家庭菜園も、虫や鳥がよく寄ってきています。感染症を媒介することがあるかもしれません。
不必要に恐れることもないのでしょうが、心に留めておきたいところ。植物本体に直に触らないように、手袋などで防御することも忘れないようにしたいものです。
コロナショックがきっかけで、家庭菜園を続けることに
我が家が初めて家庭菜園に挑戦したのは2019年の夏です。
翌2020年のはじめにコロナショックがあり、家にいる時間が増えました。旅行も前ほどは、しなくなっています。
そんなこともあり我が家では年々、家庭菜園にかける時間が長くなりました。育てる時間の長さに比例して、ありがたいことに収穫量も増加。
去年まで失敗続きだった冬野菜が今年、コンスタントに食べられるほどの収穫量を得ています。
秋の終わりに植えた細ねぎとサンチュです。最初はあまり育ちが良くなくてダメかと思いましたが、ここのところ数日に一度は楽しく食べています。
細ねぎは納豆の薬味に、サンチュは焼肉の付け合わせに。細ねぎは納豆の薬味だけでは余るようになってきました。別の料理への使い道も考え始めたところです。
虫のつきやすさ感は季節や野菜の種類、それと偶然も大きいかも
家庭菜園を続けていると「この野菜、虫がつきにくくない?」と思うことがあります。
シソやピーマン、シシトウなどではあまり、虫を見かけないように感じています。
ただ、感覚と事実は違っていることも多いかもしれません。実際のところはどうなのか、気になる野菜については調べてみると安心ですね。
実際のところ、ししとうとなすは素人でも育てやすかったと感じていた2つの野菜ですがあれから2年、なすは連敗中です。
ししとうは植えたそばからポンポンと実をつけてくれるので、育てやすさ感は今も変わりません。
ほか、オクラとシソ、ピーマンに2年連続で手応えを感じました。来年の夏はオクラとシソ、ピーマン、それにししとうを植える予定です。
ただ、オクラは割と虫がつきやすい印象を受けました。同時に植えていたシソ、ピーマン、ししとうも全く虫がつかないわけではないようです。
収穫時はあまり身を近づけないように、さっさと終わらせたいところ。
冬の時期に育てて成果のあった細ねぎとサンチュについては、あまり虫を見かけません。
ネットで調べると両方それなりの病害虫情報が出てくるので、もしかするとこれから苦労することがあるかも。
気を良くして菜園のレンタルを考えるも、費用面で挫折
素人なりに経験を積み、家で食べる程度の野菜を育てられるようになった我が家も、菜園のレンタルを考えたことがあります。
現在、東京23区東部に住んでいます。週末、通うことを考えると借りるなら、練馬や葛飾あたりの農園がベターかなと調べてみることに。
都内で菜園のレンタルをしている会社はいくつかあるようです。とりあえずはシェア畑 、都会の農園、マイファームというウェブサイトを見てみました。
比較検討したところ最低でも、23区内で菜園を借りると月5000円以上かかることが分かりました。中には「小さいアパート借りれるんじゃね?」的な月額のものも。
どの農園も、道具が借りられたりプロの指導が受けられたりとサービスは充実しています。でもこの値段では我が家の場合、家計を圧迫しそうです。
広い畑での家庭菜園は、リタイア後の楽しみにとっておくことにします。