
久々に会った友人(会社員)と、近況報告をしあっていたとき「後輩から会社を辞めたいと言われてて」という悩みを聞きました。
曰く、入社以来仕事熱心な後輩で、友人も期待しつつ業務レクチャーなどしていたそう。
話を聞きながら「会社を辞めたいんです。このままだと夢を目指せなくなりそうで」「夢って?」「芸人です」という、某ラジオのCMを思い出していました。
その後輩さんには、会社を辞めたあと挑戦したい夢があるの?
仕事熱心な人が辞めたいということは、情熱を傾けたい何かが見つかったということなのかなと予想しつつ、友人の話を聞くと。
「どうしても反りの合わない人がグループ内にいて、会社に行くのが嫌になった」
というのが、辞めたい理由と言われたんだとか。予想に反して、夢や希望とは無縁の「会社辞めたい」でした。
辞めたい人の気持ちも、辞めたいと言われて困っている人の気持ちも、よく分かる気がします。
ラジオCMに出てくる人のような気持ちで辞める人ばかりではありませんね、やっぱり。
夢をもって会社を辞めようとする人に対しては応援一択ですが、こんなふうに悩みをかかえて退職を考える人に、どう寄り添ったらいいのでしょうか。
部下や後輩から辞めたいと言われたら、まずどうしたらいいのか
いきなりの「会社辞めたい」。言われる側はショックですよね。
そんな気持ちのなかでも、まずは話を聞きましょう。相手の話を否定せずに。
「そうなんだね、大変だったね」と共感しながら、具体的に何がつらいのかを聞く感じでしょうか。
相手の話をじっくり聞くと「辞めたい」と思う理由が見えてくるように思います。
辞めたい理由が人間関係なら、すぐに決断せず少し考えてみる選択肢も
会社でハラスメントやいじめ的な攻撃を受けていたり、嫌いな人がそばにいたりするときは、辞めたい気持ちが増えますよね。
でももし、会社を辞めて新たな職場に転職した場合。その会社で、今よりいい人間関係が待っているかどうかはわかりません。
「辞めないほうがよかった」と思う可能性も、ゼロではないですよね。
そう説明しても、会社を辞めたい考えは変わらないと言われたら、納得したうえで送り出す段階と考えた方がいいかもしれません。
引き伸ばしすぎると、後悔も
ただ、辞めずに長い年月が経って「あの時間はなんだったんだ」と、思ってしまうことは考えられます。
筆者は恥ずかしながら、こちらのタイプです。
会社員でなくなった今、あのころを振り返ると「さすがにズルズルと、サラリーマンやりすぎた」という実感があります。
よく考えることも大事ですが、一方で「もっと早く決断してもよかったかも」と後悔することもあるでしょう。
辞めたいと言っている人に伝える必要はないかもしれませんが(笑)。
心身の不調があるなら退職・休職を急いで
「夜眠れない」「激痩せした」など、身体に何らかの不調が出ていたら退職(場合によっては休職)を受け入れる方向で、なるべく早めに調整を。
会社辞めたいんですと言われたときに、食事やお酒に誘ってみて普通に来るようなら、まだ大丈夫でしょう。
黙って愚痴を聞いてあげたら、気が済んで翌日から元気に出社するかもしれません。
誘いに乗ってこなかったり、そうした場に来る気力体力が明らかにないようなら、辞めたい意向は引き止められないと考えるのが妥当です。
心身の不調は身を守るサインです。急いでください。
後輩や部下からの「辞めたい」は、辞めてほしくない気持ちが勝つことも
「仕事を覚えたところなのに」「せっかく採用したのに辞められたらまた採用活動を」という気持ちが先に立って、辞めたい人の気持ちに寄り添いにくい立場もまた、辛いですね。
辞めたいと言われて、無理に引き止めるわけにもいかないし。
残されたほうは欠員で増えた仕事を分担したり、新たな人の採用活動に奔走したり、新人が入社すれば仕事をまた1から教えたり。
明日からの仕事が目に見えて増えていくことを考えただけで気が遠くなりそうですが、まずは相手の「会社辞めたい」気持ちに寄り添ってみると、いいかと思います。
理由はどうあれ「会社を辞めたい」と思うのは、ひとつの転機
ここからは、筆者の体験談です。
会社員として、20年近く働きました。
もともと会社員をやるつもりはなかったのですが、社会勉強として何年かサラリーマンをしてみようかなと思いながら、長年勤めてしまいました。
本格的に「会社辞めたい」のスイッチが入るとき
入社して数年後にローンで家を買った時、会社でパワハラに遭ったことも手伝って、本格的に退職へ舵を切る決心をしました。
が、そのころ親の介護が始まり、ロームもあるしで安定した収入を手放しにくく感じて、サラリーマンのまま副業でいろんな仕事を試すことに。
辞めたい!が原動力になり、一度に複数の仕事を掛け持ちしました。
このときトライした仕事のうちいくつかが現状の、生活の糧になっています。
副業と本業、そして介護の並行は時間的、気持ち的になかなかしんどかったです。
全力で取り組んだから今があると個人事業主になってみて、しみじみ感じます。
辞めなくても「辞めたい」という強い気持ちで、現状を変えることはできます。
個人の一例ですが、辞めないでほしい意向を伝えるときの、説明のサンプルになるでしょうか。
「会社を辞めたいです」を引き止める権利はないけれど
いい関係を築いてると思っていた部下・後輩に、会社を辞めたいですと言われたら。
上司や先輩の立場なら、ショックは大きいでしょう。
「辞めたい」を引き止める権利は誰にもありませんが、しっかり話を聞いたうえで、
- 「会社の中でできることを試してからでも遅くないよ」
- 「あなたのより良い今後のために、まず一緒に考えよう」
などと提案してみては。もちろん辞めるかどうかを決めるのは本人です。
でも、辞める辞めないは別として。
部下・後輩が進退について悩みを打ち明けてきたなら、一緒に仕事をした仲間という立場で「あなたが居てくれた方がずっといいんだ」という気持ちを伝えたいものです。
気持ちが伝われば、仕事仲間の間柄でなくなっても、いい関係は続いていくでしょうから。