在宅勤務で「パワハラを受けている?」と感じた時にまず実行したいこと

10年前、零細企業の正社員サテライトスタッフとして小さな部屋で一人、在宅勤務をスタートしました。

「成果が出なかったらクビ」と暗に言われていて、毎日無理をして残業続きになっていました。

たびたび電話やメールで「1年後に成果が出なかったら」「何もできていないじゃないか」などとプレッシャーをかけられていました。

正社員テレワーカーで、パワハラを受けていたときのこと

毎日「売り上げが伸びないのはあなたのせい」「怠慢だ」などと責められるうちに「自分が悪い」「仕事ができない、みんなに迷惑をかけている」と思うようになっていました。

冷静に考えたら、こんな言動はパワハラなのに。

仕事上のミスは確かにあったし、反省点も多くありました。

担当者としてそれらを洗い出した上で「自分としてもミスが起こらないよう最大限努力はするが、担当者任せの部分が多すぎる現状のままだと、同じミスがまた起こる可能性がある。チェック体制を見直してほしい」と願い出ても「責任転嫁」と言われ、取り合ってもらえませんでした。

ある日、自分の担当している仕事でクレームを受けた時のこと。「覚悟しておくように」と当時の上司から電話がありました。

2011年3月11日、金曜日のことでした。その数十分後、東日本大震災に遭遇しました。

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被災しているなか、解雇予告を受けた

そして週明けの月曜日。倒れた機材や資料などを土日で片付けて、かろうじて仕事ができそうだったので、とりあえず仕事場でメールチェックをしていると、上司から電話がかかってきました。

安否確認かと思い電話を取ると「やっぱりあなたの仕事には給料を支払えない」とのこと。

被災して食料確保もままならない状況で仕事に当たっている状況をお構いなしの会社の姿勢に、我にかえりました。「わかりました、いつでもクビにしてください」と言って、電話を切りました。

その時はなぜかクビにならずに、解雇予告等も特にありませんでした。別の人が間に入って解雇の話を無しにしてくれたことを後から知りました。

さらに、クビ宣告をしてきたその上司は部下全員に、私にしたのと同様のパワハラをしていたことを、もっと後になって聞きました。

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テレワークなど、ひとりぼっちの状況でパワハラを受けた時の対策

もしもその時パワハラ対策の知識があったなら、あんなに追い詰められなくても済んだと思います。

知らないというのは本当に残念なことで、そのころは一人で、来るか来ないか分からない解雇予告に戦々恐々とするばかりでした。

パワハラ対策の基本である「かかってきた電話は全て録音」「紙に書かれたものは保存(スキャン、撮影してデジタル保存がなお良)」して、全て証拠として取っておくことを知らずにいました。

在宅勤務で、もしもパワハラを受けていると感じた場合は、証拠となるものは全て取っておいて、いつでも提出できるようにしておいてください。

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在宅ワーカーのパワハラ相談窓口

どこの自治体でも無料の法律相談窓口を設けているので、役所に問い合わせてまずは相談しましょう。それと、一人で入れる労働組合に加入することも第一歩だと思います。

労働組合は「一人で入れる労働組合+(お住いか、あるいはお勤めの)市区町村」のキーワードでググると検索されてきます。

パワハラを感じた場合「自分が仕事をミスったから」とか「自分の働きぶりがよくないから」ということは考えなくて良いと思います。まずは、相談してみましょう。

仮に仕事ぶりがよくない、ミスが続いている、などといった事実があったとしても働いている人へのパワハラは許されません

筆者も「自分が悪いんだ」という思い込みで、数年間パワハラで苦しむことになってしまいました。在宅勤務だったこともあり、他のスタッフたちが同様に陰湿なパワハラを受けていたのを知らずに。

その後、パワハラをしていた当人は自分で自分の首を絞めることになり職場を追われ、パワハラ問題は解決しました。

でも、あの時の恐怖は今でも忘れられません。10年近く経った今も当時の状況がフラッシュバックして急に大汗をかいたり、寝ている時に追い詰められる夢を見たりすることがあります。

どうか一人で悩まずに、相談できる相手を探してください。私のように苦しむ人が現れないことを願うばかりです。