20代前半で一人暮らしを始めて、数年経つと「家賃払って賃貸に住み続けるより、買ったほうがよくない?」と思うようになっていました。
当時住んでいたエリアで、一人暮らし向けの物件を探してみて「高いけど、買えなくもないかも」と、マンション購入に現実味を覚えるように。
買って住めたのは3年余りでしたが、やっぱり買って良かったなと思います。
売却という選択はなかった。住めなくなったら貸せばいいと思っていたから
家を買おうと考えたのは、30歳を少し過ぎたころのことです。
当時は未婚で「もし結婚したら家はどうするの?売るの大変だよ」とか言ってくる人はたくさんいました。
「住まなくなったら貸せばいいよね、家賃入るし」と単純に考えていました。
確かに買ったからってずっとそこに住めるわけでもないだろうし、借りてもらうことも視野に入れて。
資産価値が下がりにくそうなエリアを予想しつつ、新規売り出し物件のチェックや部屋の内見を2年くらいしました。
ようやく買った家は最寄り駅から徒歩5分、築30年の古いマンション。920万円の1DKを25年ローンで購入。
繰り上げ返済して15年で払い終えました。
毎月のローン支払いは、仮にフリーターになったとしても払える額を想定
毎月のローン支払額と共益費や施設修繕積立金を合わせて、月6万円ほどの住居費でした。
「月6万なら、会社員からフリーターに戻っても頑張って払える額」って判断して決めました。
「将来は在宅で仕事をしたい」と思っていたこともあり街なかに買って、夜な夜な飲み歩く日々でした。
自分仕様にリフォームした夢の家での生活は、なかなか楽しかったです。「これ独身貴族じゃん」とよく言われました。「とうとう諦めたね、結婚」とも。
購入後3年で、地元へ戻ることに
でも、探しに探して思い切って買った家に住めたのは3年余りでした。
親が要介護になり、同居するために地元へ戻ることになったからです。
売ることは考えず、どうやって貸したらいいかもよく分からず、その家はしばらく空き家になっていました。
後から知ったことですが、空き家になってずっと閉めきっている家はカビが生えたりダニが増殖したりして危険だそうです。
転勤族の人たちなどが家を維持するために空き家管理を委託したり、誰かに住んでもらったりしていることを、そのころは知りませんでした。
ローン組んだ銀行に「ご転勤やご結婚などで住まなくなったら必ず連絡をください」と
3年前に買ったマンションを転勤後空き家のままにしている、と友人に話したら「もったいない!私が住んであげるよ」と言うので、これ幸いと家具を片付けて彼女に家を貸しました。
「そういや、住まなくなったら知らせてって銀行に言われてた」と思い出して、友人が住み始めてすぐ、銀行に行きました。
「介護で実家へ戻ることになってしまいました。今、マンションには友達が住んでます」と言うと、バッチリ笑顔で優しい対応だった窓口の若い女性が血相を変えて、奥へ引っ込んで行きました。
数分後、いかにも偉そうな人が奥から出てきて、名刺を渡されました。名刺には課長と書いてあったと思います。
かなり太って強そうな、くせ毛の髪が肩まで伸びた50がらみの色黒な女性課長。着ているスーツはキツそうで、腰回りのハミ肉が豊かな生活を物語っているように見えました。
低いけど強めの声で彼女は「契約違反です!」と言って怒り始めました。
住めなくなったら報告してくださいと言われたから、こうして来たのですが
「え、ちゃんと言いに来たじゃありませんか」と言い返すと「貸す前に言ってもらわないと困ります!」と、火に油をそそいだ形でお説教は続きました。
この女性課長によると、住宅ローンのまま貸すのはNGだそうです。「このまま賃貸をお続けになるなら、残債を一括返済してください」と言います。
ローンはまだ800万円ほど残っていて、一度に払うのは難しい状況でした。
「だって親の介護ですよ。お金稼ぎたいから貸してるのとは違います!」と言っても「規則は規則」とのこと。
お説教は終わる気配がなかったので「なら、他の銀行に借り変えようかな」と切り出すと「今回は仕方がなかったということで」と即、色黒ぽっちゃり女性課長は怒りを鎮めてくれました。
規則違反は見過ごせないが、他の銀行に借り換えられるのは銀行としても痛手
銀行も商売ですから、借り変えられるよりは賃貸を許してあげた方がいいですよね。たとえ、少額のローンでも。
後から知ったことですが、ローン支払い中でも貸せないってことはないんだそうです。
中には契約内容を一部変更したり、住宅ローンをアパートローンに変えたら貸し出しを許可しますというケースもあるそう。
私のように、そのままの契約で貸し出しOKになることも珍しくないようです。
買ってから転勤や結婚、親の介護とかで住めなくなるというのはよくある話なのかもしれませんね。ある意味、銀行も慣れているのかも。
ということは、私を怒ったのも銀行のマニュアル対応だったのかな。
似たような経験をした方のコラムを見つけたので引用します。
今回6年ほど前に新築で購入したマンションを賃貸に出そうと決意しました。(中略)転勤などといった全うな理由ではないので大丈夫かどうか不安でしたが、金融機関に相談を重ねたところしぶしぶでしたが対応していただけました。これで返済不能にならずにすむとほっとしました。
『ローンを返済中にマンションを貸すことを考えた結果』マンション貸す.com より
転勤であれ何であれローン支払い中で貸したい人は、まずは銀行に相談してください。貸したあとに知れると、私みたいにめっちゃ怒られるかもしれません。
余裕があれば、貸す前にいくらで貸せるかを知るとなお良い
あとはなるべく高く貸せるように、賃料の一括査定をするといいかと思います。
マンション貸す.comなどの一括査定サイトなども便利です。
ただ、申し込むといろんな不動産屋さんから一斉に電話がかかってきます。
査定申し込み時に「電話連絡しないでください。メールでのやり取りを希望します」と備考欄に書いておくのをお忘れなく。
メールで査定結果を知らせてきた不動産屋さんの中で「説明を聞いてもいいかな」と思ったところとだけ、改めて電話や対面でやり取りをするといいのではないかと思います。
余裕があれば2〜3社の話を聞くと、比較にもなっていいかもしれませんね。
しばらく貸してから売ることでもいいかな
2年ほど借りてくれた友人は、結婚が決まり出ることに。
私は買った家に戻れるめどが立たず、売却か賃貸かを考えなければいけませんでした。
まだ残債が半分以上ある状態だったので、売ると借金が残る不安があり賃貸することにしました。
もし売却して、買った時より高く売れたら税制優遇もあったようですが、長い目でみて考えると売らないでよかったかな。
なので賃貸管理会社に委託して、入居者探しと賃貸中の管理をお任せすることにしました。
3ヶ月ほどで入居者が決まり、4年住んでくれました。その後また入居者募集を始めたんですが、今度は1年経っても入居者は現れません。
最初の数年は難航した賃貸経営
前の入居者が住んでいる間に周辺の状況が変わり、同じ家賃で募集しても難しかったようです。
入居者を再募集するとき、同じ家賃で再び募集していいか確認するのは大事だと知りました。
家賃を下げて募集するとすぐに決まったのですが、1年も放置していたことは反省しました。その間、家賃収入ゼロでランニングコストを払い続けていたわけですから。
買ってから15年が経ち、3年前にローンを完済して現在も賃貸中のまま所有しています。ローン支払い中は家賃収入を返済にあてられたので、この家にかかる出費はありませんでした。
25年ローンを前倒しして15年で完済
住宅ローンを払い終えた今は、税金や共益費・施設修繕積立金などのランニングコストを除くと年間35万円程度が手元に残ります。
この家に支払ったお金の総額よりも家賃収入のトータルが上回るのにはあと15年くらいかかります(無事入居者が居続けたと仮定した場合)。
リタイアする頃にやっと、収支がプラスに転じる形です。このまま持ち続けて老後、施設入居などで資金が必要になったら売却を考えようかなと思っています。
すぐ転勤になったけどあの時、マンション買っておいて本当に良かった
家を買うか借りるか、というのは永遠に答えの出ない問題ですね。
私も持ち家を貸しながら、今住んでるのは賃貸です。
結局、月日が経って転勤先に住み着き、そのまま結婚して今に至ります。私に転勤を命じた会社はコロナショックで潰れました。
あのとき、マンションを買っておいて本当に良かったなと思います。投資用に買った家じゃないので利回りはそう高くないですが、家賃収入を得られるのは気持ち的に大きいです。
特にコロナ解雇にあった時は「毎月家賃が入る」ということが本当に、心の支えになりました。
解雇直前にローンを完済できたのは買うとき「フリーターになっても払える額のマンション」ということを念頭に、家選びをした結果かもしれません。
若いときに頑張って買った家は年を重ねた今、資産として役立っています。
マンションを買って転勤になった時の「正しい家の貸し方」を知らなかった
住めなくなったときたまたま友人が借りてくれたことは、その後の賃貸経営のハードルを低くしてくれた気がしています。
「友達出るし自分は転勤終わらないし、不動産屋さんに頼んでまた貸そうかな」と気軽に考えて、賃貸管理会社もテキトーに選んでテキトーに貸しました。
幸い入居者が現れて賃貸は続きましたが、無知なまま貸している「いいカモ」かなと最近では思っています。
ハウスクリーニングも賃貸もマンションの系列会社に頼むだけで、比較をしませんでした。そういうこともあり、最初の入居者が出たあと1年も空室を続けてしまったのかもしれません。
近い将来は難しいけれど、この家にはいずれまた住みたい気持ちがあるから
でも、私がこの家を貸すとき結んだ契約はいわゆる普通の契約で、入居者が自ら出ていかなければずっと入居が続く決まりになっています。
貸すだけの家なのか、将来別の用途(売却とか自己居住とか)に使うのか、あるいは数年だけ貸してまたすぐ戻るのかなど、使い方によって貸すときの契約を選ぶ必要があることを最近知りました。
我がマンションは、いま住んでくれている入居者が今後も住み続けた場合、私が再び住むことはできません。ずっと住んでくれるならそれはそれで、ありがたい気もしますが。
今の入居者が出るタイミングで、契約の仕方や賃貸管理会社について考え直してみようと思っています。
何年かに一度は賃貸・売却の査定をして、家の資産価値をチェック
買って5年くらい経っていたころ「楽天ポイントをプレゼントします」という誘いにつられて、持ち家の売却査定をしました。
「買った時より高く売れるのでは」という査定結果が出て、ちょっと嬉しかった記憶があります。
不動産屋さんから立て続けに電話がかかってきてウンザリな面はありましたが、大手や地元に根ざしたお店など、いろんな不動産屋さんの査定結果には「なるほど〜」と思いました。
なので数年に一度、折に触れて売却査定と賃料査定をするようにしています。
一括査定サイトから申し込むと、複数の会社から査定結果が送られてきて便利です。私が使うのは賃料査定では以下の2社が多いです。
マンション貸す.com
マンション貸す.comは提携している不動産屋さんが多いようで、いろんな会社が連絡してきます。どちらかというと個人オーナー向けのサービスという印象です。
すぐに査定結果を送ってくる不動産屋さんも、割と時間が経ってから連絡してくるところもあります。
マンションレビュー
こちらのマンションレビューも使ったことがあります。一室貸しの個人オーナーから一棟貸しのプロの大家さんまで利用できるサイトです。
対して、売却査定をするときに使うサイトも2つ紹介します。
マンションナビ
マンションナビは集合住宅専門の一括査定サイトなので、我が家とも相性がいいかなと思って使っています。どちらかというと個人オーナー向けという感じ。
楽天不動産
楽天ユーザーなので楽天不動産も使います。普通に査定申込するともらえるポイントは低めですが、ポイントサイト経由だと割と多めにもらえたりします。
売却査定も賃料査定も、ポイントやギフトカードの付与サービスがあれば積極的に利用してます。
あ、一括査定を利用する時は「電話ではなく連絡は必ずメールで」と書きそえることをくれぐれもお忘れなく。
忘れると、申し込んだ瞬間に電話が鳴り止まなくなります(笑)。