
株主優待目的で買った株のなかで値を下げて、今後も上昇の見込みが薄そうな銘柄を、なかなか手放せないでいました。
10銘柄を手放した理由とその後のメンタルなどについて、損切り体験とともにお話しします。
優待株、保有しすぎ?
ここ1年くらい「優待株を持ちすぎた」と感じていました。
比較的短期間で、
- 24年8月5日の令和のブラックマンデー
- 25年4月3日に始まったトランプ関税ショック
と、2回も歴史的暴落にさらされて「下がったら下がりっぱなし」という持株もちらほら。
優待があるからという視点だけで保有してしまった銘柄たちを、ここらで損切りすることにしました。
こちら、初めて個別株を購入してから10年。
これまで買ったときより値を下げた株を売る(=損切り)って、一度もしたことがなかったんですよね。優待や配当があると思うと、
- 損しててもいつか取り返せるかも
- 売ったらもったいない
とか考えてしまって、なかなか手放せずにいました。
売る!と決めて、すぐ損切り。気が変わらないうちに
手放すことを決めたのは10銘柄です。
なぜ損切りを決心したかというと、大幅上昇した銘柄を売るとき、一緒に売れば、
全体ではプラスになってるから大丈夫!
と思える安心感があったからです。
大幅上昇した銘柄の上昇幅は、金額にして50万円ほど。
30万円で買って1年保有で80万円になった銘柄があり、そろそろ売るかなと思っていたんですよね。
一緒に売れば、結果はプラスだ!と思いながら、どんどん売りました。
我にかえって「もしかしてマイナスになってないよね?」と、軽く混乱しながら(笑)。
【損切り体験談】株主優待目的で買った10銘柄を手放して気づいたこと
15:30の大引けを迎えて、損してないかドキドキしながら取引結果をみると、プラス6万円の結果でした。
微々たるプラス金額ですが、この日は大きな達成感を得ました。この達成感はどこからきてるんだ?と考えてみると、
- 株価下落
- 減配
- 優待改悪
- 優待廃止
- 間違えて買った
といったことを突きつけられる日々から、解放されたのが大きいと思っています。
「たくさんある銘柄から、どうしてこれを選んだ?」という自己嫌悪を感じないから、気持ちが安定します。
筆者が損切りした株主優待銘柄10選とその理由
今回、損切りした10銘柄を振り返ると。
それぞれ、売ろう!という明確な理由がありました。例えば、
- 株価が低迷していた
- 優待が改悪・廃止された
- 最初は感じていた魅力を、さほど感じなくなった
- 株式市場で活発に売買されていなかった(特にこれ)
と、いったところです。以下に、それぞれの背景をご紹介します。
【損切り銘柄1】中小企業向けサービス仲介会社
取得してすぐ、優待廃止が通知された銘柄です。
高配当で業績も良く「優待がなくなってもホールドしよう」と思いながら数年。
業績がいいのに何故か株価は下がり続け、買わなきゃよかった感が増大していました。
【損切り銘柄2】化粧品・健康食品製造販売会社
取扱商品に面白みを感じて、業績見通しが良かったこともあり購入した銘柄です。
株価が上がることもなければ、下がることもなく持っていることを忘れるような存在で。
優待で商品サンプルが送られてきましたが、思ったよりワクワクみを感じなかったという判断で、手放すことにしました。
【損切り銘柄3】海外にもチェーン展開する飲食店
コロナショック時に購入した銘柄です。優待が目当てでしたが「アフターコロナで株価も上がる?」という淡い期待もありました。
持株のひとつだった別の飲食店銘柄がアフターコロナから順調に上がったのに対して、こちらは足踏み状態が続き、手放すことに。
配当・優待ともにホールドしたいほどの魅力を、個人的には感じにくかったのも一因です。
【損切り銘柄4】医薬品老舗
こちらもコロナショックで買った銘柄です。購入時、優待があると誤解していました。
高値で掴んでしまい、株価は買ったときの1/10に下がったまま数年。
業績が悪化したわけではなく、コロナ時に一時的に買われ、元に戻って値を下げた感がありました。
【損切り銘柄5】音楽系エンタメ
日本発のカルチャーは世界に向かって伸びるのかな?という期待から購入しました。
購入後、株価はほとんど動かず、優待の内容を間違えて買っていたことに気づき、売却することに。
【損切り銘柄6】総合材料メーカー
優待に工場見学があり、楽しみにしていました。
株価の推移はあまりなかったものの、配当がよくホールドしてもいいかなという銘柄ではあったのですが。
見学できる工場が自宅からあまりにも遠く、優待利用に高額な交通費をかけるのもどうかと、手放すことにしました。
【損切り銘柄7】人工知能ソフト提供企業
購入時と比べて株価が1/3になったうえ、優待が改悪されてしまった銘柄です。
業績は悪くなく、超長期保有するか迷いましたが思い切って売りました。
【損切り銘柄8】自動車部品中堅
自動車まわりの部品を製造していて、安定みを感じて購入した銘柄です。
トランプショックで憂き目をみました。
【損切り銘柄9】電子部品大手
令和のブラックマンデー時、下げたところを購入しました。
大手メーカーということもあり長期保有のつもりだったのですが、減収減益でさらに値を下げてしまい売ることに。
【損切り銘柄10】アパレル中堅
数年保有すると、豪華な優待が出るとのことで購入しました。
あと3ヶ月で優待の権利もらえる!というところで、優待廃止の通知がありました。
長期保有へのモチベーションを失い、優待廃止通知からすぐの売却になりました。
損切りすることになった銘柄たちの多くは「買われていないから、売られない」
今回、損切りした銘柄のほとんどは「優待株ではあるけど、あまり買いが入っていない」という共通点がありました。
積極的に売買されている銘柄は、1つしかなかったです。
ずっと同じような株価で推移して、何かの拍子にゆっくりと下げに転じてしまう感じで。
「この優待おもしろい!という視点だけで買うとこうなる」と学びました。
損切りは、個人的な考え方によるもの
ところで、この記事では手放した銘柄名について明記していません。
おそらく「この株?」と、ピンとくる読者の方もいらっしゃると思います。
今回「手放した」と紹介したものは「筆者の暮らしや投資方針に合わなくなった」という理由で、いったん手放した銘柄たちです。
優待自体の価値や、企業の姿勢を否定する意図はありません。あくまで、個人の選択として参考になれば幸いです。
買われている・買われていないはどこで判断する?
注目している銘柄が今、どれくらい買われているかは証券口座のホームページやアプリで「気配(けはい)」を見ると判断できます。
下の写真は、左側が売り買いともに動きの鈍い銘柄の気配です。一方、右は売買が活発にされている銘柄のもの。
左右で、数字がひとケタ違っているのが分かりますね。一目瞭然です。
気配はその時々によって変わるので、あるとき急に売買され出したり、急に止まったりすることもあります。
今回の損切りを教訓にしたい
今回の経験を通して「優待だけにフォーカスした買い方をしない」と決めました。
とはいえ、証券アプリなどで優待情報を見ていると、魅力的なものがたくさんあり決心が早くも揺らぎます(笑)。
損切りした銘柄は、どれもNISA口座で購入したもので、損益通算などの面倒はなさそうです。
10銘柄売却して、できた資金の余裕は100万ほど。
1年ぶんのNISA枠にも満たない額ですが、新たな銘柄を購入する足しにしたいと思っています。
損切りと同時に、使っていない証券口座の整理も
筆者はNISA口座を中心に、少額で取引をしています。
そうした売買では、取引に手数料がかからない証券口座を選ぶのがいいようです。
株取引を始めた当初、手数料無料の条件を満たす証券口座を3つ作りました。
個人的に、松井証券に使い勝手の良さを感じて、メインで利用しています。
最近、口座乗っ取りなどのニュースをよく目にして、株を始めた当初に作ってあまり使わなくなっていた証券口座を解約しました。
日々、チェックしない口座だと被害に遭っても分かりにくそうで、不安に思ってたんですよね。
証券口座の解約は、ネットで申し込んで郵送されてくる書類に必要事項を記入して送り返す手間があること、知りませんでした。
なかなか面倒でしたが、使っていない口座を持ち続けるのは不安だったから、解約して良かったです。
損切りと似たような解放感を得ました。