在宅ワークのリアルな変遷。2010年と2024年を比較してみた

筆者が初めて在宅勤務を経験したのは2010年のことです。当時は会社員で、勤務先から命じられてのスタートでした。

会社はコロナでつぶれ、その後は在宅での派遣やパートを経て、現状は個人事業主に落ち着いています。

在宅ワークライフをリアルに振り返ってみる

2010年と2024年では、テレワークのありようもだいぶ変わった感があります。

2010年ごろはまだ、サラリーマンが在宅勤務をするというのはわりとレアで、なんだかすごい珍しいことをしているような目で見られました

仕事の内容は、変わらないんですけどね。会社に行かないで家で仕事してただけで。

広告

2010年当時の在宅ワークは、モノが多かった

2010年ごろの在宅ワークは、今と比べると格段にモノが多かったです。

筆者はテレワークルームとして家賃4万円ほどで、家の近所にシェアハウスの一室を借りていました。

その部屋に作業机やデスクトップパソコン、複合機(プリンターとスキャナー)、ノートパソコン、固定電話、有線LANルーター、携帯電話、筆記用具などを並べ、紙の資料に埋もれて仕事をしていました。

パソコンをはじめ、仕事に使う機材にかかる費用は会社もちでした。

部屋代は、1万円の補助が出たほかは自前。「家あるんだから家で仕事すればいいのに」という会社側のスタンスが伝わります。

シェアハウスでのテレワークについては、シェアハウスでの在宅勤務がなかなか面白かったという記事にまとめています。こちらも読んでみてもらえると、とてもうれしいです。

主な連絡手段は電話や電子メール、それにファックス

2010年当時も今のようなビデオ通話はありました。ビジネス向きのチャットは、見かけなかったように思います。

その後、数年でLINEチャットワークなども登場したものの、これらは2010年代初めごろはまだ、筆者の周りではあまり使われていませんでした。

連絡手段は電話かメール。それにファックス

ファックスが何枚も送られてきたときの「紙がない」「インク切れた」という懐かしい悩みを思い出します。

ネット注文も今ほど便利でなくて、仕事の手をとめて近所の文房具店や量販店へ出向いても「紙売り切れ」「インクは型違いしかない」みたいなことも、あったような。

添付ファイルが開けません、メールが文字化けしています

2010年ごろ、パソコンでやりとりするメールはまだ、通信手段として主流感がありました。

一応、業務ツールとして普及はしていたものの、添付ファイルを送ると「開けません」、メールを開けたら「文字化け」も日常茶飯事で。

便利のような、不便なような

「会社のメールを私用に使ってはいけません」みたいなことも、よく言われていて。

今、会社のメールをわざわざ私用に使うなんてもう、考えられませんね。

2015年ごろにはskype、chatwork、slack、LINEなどが使われるように

2015年くらいからはビデオ通話やチャットなどがビジネスでも使われ始め、テレワーカーの労働環境も少しずつ、今に近いものになりつつありました

こうしたツールの導入がスムーズな職場とそうでない職場には開きがあり、通信手段も新しいもの、従来型のものが混在して選択肢がかなり増えた感も。

振り返ると、仕事環境の変化がリアルに見えた過渡期だったといえるかもしれません。

2020年春のコロナショックでテレワークが定着

2020年に入ると世界中がコロナショックに陥り、テレワークの推進が進みました。

通勤しなくていい!という声や、家族全員がテレワークになりストレス!という声などが聞かれ、テレワークにもいろんな側面があることが浮き彫りに。

家で仕事をすることは向き不向きがありそうだということも、わかってきました。

テレワークの定着と同時にペーパーレス化も進み、ノートパソコンとスマホがあれば大丈夫、という仕事も増えました。

テレワークの是非が問われる。する、しないは自分で決めたい

コロナが落ち着き、通勤ができるようになってくると「テレワークしないで会社に来なさい」という会社がちらほら現れました。

大企業の中には、テレワーク禁止を打ち出すところもありましたね。

個人的にはある程度、仕事に慣れている人はテレワークか出社かを選べるといいのに、と思います。在宅・出社を織り交ぜるハイブリッド勤務や、フレックス勤務などの選択肢もあるとなお良しです。

そうすることで介護や育児を抱えていてもできる仕事が増えるし、闘病中にも働ける可能性が広がります

広告

在宅ワークのリアルなタイムテーブル。2010年と2024年の違い

在宅ワークタイムテーブルは筆者の場合、以下のような感じです。

2010年当時は雇用型テレワーカー、2024年は自営型テレワーカーでかなり違いがありますが、参考までに。

2010年の在宅ワークのタイムテーブル

サラリーマンの毎日は、在宅ワークであっても通勤している場合とあまり変わりません。

正社員だったからか、テレワークながら外出や出張も多かったです。

  • 09:00:始業
  • 12:00:昼休み
  • 13:00:午後の仕事
  • 18:00:終業

テレワークを始めたばかりのころは、通勤よりかえって忙しいのでは?という感じもしていて。慣れるのに時間がかかった気がします。

数年経ってやっと、通勤していたときと比べて仕事の合間に家事ができたり、通勤時間がないぶん時間の余裕があったりという変化が感じられました

慣れてくると始業前や終業後、リモートでできる副業をするように。副業は、通勤ワーカーよりもテレワーカーの方が格段に、取り組みやすいと思います。

2024年の在宅ワークのタイムテーブル

ちなみに筆者の2024年現在の仕事は、業務請負や自営を中心としたライター業です。時間の縛りがあまりありません。仕事の合間に株取引をしています

在宅ワークのタイムテーブルは今、基本的にはこんな感じです。

  • 08:30:銘柄検索
  • 09:00:株取引
  • 09:30:原稿書き、取材など
  • 12:00:昼休憩(食べながら仕事することも)
  • 13:00:原稿書き、取材など
  • 14:30:株取引
  • 15:00:原稿書き、取材など
  • 17:00:仕事終了

こちらはおおよそのタイムテーブルで、いつも決まっているわけではありません。仕事をしなかったり、半日ほどで切り上げる日もあります。

会社員時代のように本業の前後、早朝や夜に仕事をすることはほぼ、なくなりました

サラリーマンのころに比べると収入は低いですが、人生の充実度合いは格段に上がった感があります。

広告

在宅勤務を充実させる2つのコツ

10年以上のテレワーク生活を経て筆者は現状、理想的な在宅勤務ライフを謳歌しています。

在宅勤務は基本、家で一人で仕事をするから、労働環境を好みのものにしやすいです。

仕事そのものがイヤでない限りテレワークは、仕事まわりを「好き」で固められる働き方でしょう。

自分の心や身体が嫌がるもの、こと、人を近づけない

在宅勤務は服装や髪型、インテリア、仕事用のツールなどが選び放題だし、ペットのいる部屋で仕事をすることも夢ではありません。

明日仕事だからと、ニンニク料理を我慢しなくても大丈夫。

作業に飽きたらコワーキングスペースやカフェに移動することも、職場によっては可能でしょう。

テレワーク中に「気に入らないかも」ということが出てきたら、どんどんリニューアルして自分の理想郷を作りましょう

疲れたら積極的に休む

長年、テレワークをしていると「寝込むほどではない身体の不調のとき本当に助かる」ことを痛感します。

基本、家にいるから休み休み仕事をして、その日やらなくてはいけない最低限の仕事を終えればいい。

これが通勤となれば、体調がよくないときも仕事着に着替えて靴を履いて、駅まで歩いて電車に乗って職場まで行かなければいけません。

家で休み休み仕事ができるという安心感は、在宅勤務のリアルな醍醐味のひとつでしょう。

2010年から2024年にかけての在宅ワークの進化を振り返ってみると

2010年から2024年までの在宅ワークの変遷をまじめに振り返ると、その進化と普及の過程がおもしろく見えてくるように思います。

筆者はサラリーマンから個人事業主に至るまでの間、在宅勤務の良さや困りごと、そして日常のリアルな変化などについてたびたび考えをめぐらせていました。

今回の記事では、そうした思いをまとめました。

テレワークは柔軟性があり、労働環境を自分好みにカスタマイズできる働き方。これからもテレワークの進化にあわせて、自分に合った働き方を追求していきたいものです。