趣味と実益を兼ねて、株式投資をしています。
一度に大きな金額を投資するわけではありませんが、何年もかけて少しずつ買い増した結果、保有銘柄数が30を超えてきました。
失敗を重ねるなかで、面白いと思えたのは株主優待がある銘柄です。
ただ株を買って儲けようとするだけなら、おそらく辞めていたと思います。
とはいえ優待ばかり狙って資産が減るのは辛いもの。業績がよくて配当がそれなりに出て、優待も魅力的な企業の株を選ぶようになりました。
そうすることで、地味ですが利益を出せています。
株主優待は日本独自のもの?
ご存知のとおり株主優待は企業の株を買って、株主になると得られる特典のことです。
クオカードやおこめ券などの金券をはじめ、企業が行っているサービスや、販売している商品を試せる優待をよく見かけます。
日本独自のサービスだと思っていましたが海外でも、株主に対してサービスや商品の優待割引などを行う企業はある様子。
とはいえ日本ほど、株主優待が盛んな国は珍しいみたい。優待を楽しめるのは、日本株の大きな魅力といっていいかもしれませんね。
日本国内に住んでいて、日本株を買うというごく限られたシュチュエーションでしか、現状はほぼ楽しめないようです。
外国株は企業情報が分かりにくいし、優待がないから面白みを感じにくいと思った
日本株で少し利益を出し始めたころ、海外の株を買ってみようかなと思ったことがあります。
海外市場は調べてもよく知らない企業ばかりで、優待もほぼなくて。
買っても、値動きだけを見ることになって楽しくなさそうに思えました。
というわけで外国の個別株はあきらめて、海外銘柄をセット購入できる投資信託を運用しています。
ポイントがもらえたこともあり、普段の株取引で利用していた松井証券に、投資信託口座も作りました。
魅力を感じて保有した優待銘柄で実際に面白いもの、そうでもないもの
魅力を感じた銘柄については情報を保存し、ちょくちょく値動きを見て買えそうなところまで下がったら、買い注文を出します。
「この金額より下がったら買います」という指値注文が主です。
基本、NISA(※)枠で買います。なので「この金額より上がったら買う」という逆指値ができないのは少し不便な気がします 。
※NISA(ニーサ)は少額投資非課税制度の略称です。個人投資家が少額投資をして得られる配当や売却益を非課税にする、国が定めた制度です。
面白みを感じている優待銘柄
購入したい銘柄は情報を掘り下げて、しぶとく値動きを追います。
とはいえ、あまり変態的にのめり込むと、全体が見えなくなる傾向があります。
調べすぎても意味ないし、調べ方が少ないといい銘柄が買えないんですよね。
会社四季報や証券会社のサイトに掲載されている情報を見ながら、SNSでいろんな投資家の意見を検索します。
そういう情報をもとに、自分で総合的に判断したうえで「これは買いかな」と思ったら注文を入れる感じです。
情報をどれくらい掘り下げるかの塩梅を、体感的に理解するのは少し時間がかかりました。
近年、購入した銘柄で「これは失敗だった」というのは比較的少ないかも。
現状の持株のなかから実際に楽しめているものやそうでもないものに加えて、実用的で生活の役に立っているものを紹介します。
コアは博物館のパスポートがうれしい
半導体関連装置や金融機関向けソリューションなどを中心に、幅広い事業を手がけるコア。
株主優待は博物館の年パス。筆者が保有している優待銘柄のなかでは、特に面白いもののひとつです。
200株以上保有すると、優待が受けられます。コア公式サイトによると、株主優待について以下の記載があります。
株主様へのご優待として、3月31日現在の株主様に対し「東京国立博物館友の会」・「奈良国立博物館メンバーシップカード」・「九州国立博物館メンバーズプレミアムパス」のいずれかと引換可能な「株主ご優待券(引換券)」を贈呈いたします。
配当金も現状は毎年3%程度と好実績。ずっと保有したいと思う銘柄のひとつです。
パルグループホールディングスの宿泊半額券
パルグループは衣料品や生活雑貨のブランドを展開する企業。チャオパニックやスリーコインズなどでおなじみです。
優待はホテルの半額券。公式サイトには、こう書かれています。
保有株式数に応じて、以下の株主優待券を贈呈いたします。
本券は、1枚ごとに以下の宿泊施設(4軒)のいずれかでご利用いただだける株主様限定の共通優待割引券です。
①ホステルのアサ
②くろしお想
③鬼怒川温泉ホテル
④鬼怒川金谷ホテル
原則として、各宿泊施設のご宿泊基本プラン料金の50%割引価格でご宿泊いただけます。
最低取得単位の100株保有で、株主優待券が2枚送られてきます(2024.5現在)。
マニアックな自社製品が待ち遠しい、北の達人
北海道を拠点に、面白い商品を作っている北の達人。
通販サイト「北の快適工房」をのぞくと、健康食品やファンデーション、発毛促進剤、毛穴パックなどいろんなオリジナル商品が並んでいます。
北の達人は配当が若干低めですが、安く取得できたのと優待が面白そうだったから買いました。
筆者が買ったときは最低取得単位の100株で、購入金額16,000円くらいでした。
2024年5月現在の優待品は、まぶたのたるみを引き上げるまぶた特化型美容ジェル『リッドキララ』です。
まだ、保有したばかりで優待を受けていません。届くのが待ち遠しいです。
クオールホールディングスの選べる優待でもらったもの
コンビニや量販店設置の調剤薬局を中心に展開する、クオールホールディングス。
配当がよく、優待もいくつかの選択肢から選べることで保有しています。直近の優待で選んだのは、この青汁です。
カタログが送られてきて、そのなかから選べるタイプ。選ぶ楽しみもある優待だと思います。
加えて、クオールホールディングスの株主優待は1年以上継続すると選べる優待品が増えます。
継続保有1年を超えた2024年、この青汁のほかに歯みがき粉を選びました。
筆者は最低保有株数の100株保有ですが、500株以上になると優待のグレードが上がるようです。
JINSホールディングスはお店で使える金券
JINSといえば、メガネ屋さんの代名詞でしょうか。
メガネはメイドインジャパン製品としてグローバルな展開が期待できる?という印象があり、株価が安値をつけたときに買いました。
優待は国内直営ショップかオンラインショップで使える「株主様ご優待券」(9,000円+税分)1枚。
JINSも保有してから日が浅く、まだ優待の利用には至っていません。届くのを楽しみにしているところです。
助かる!コメダの株主優待ポイント
コメダは株を始めたころから長期保有している銘柄です。
ここ1、2年でやっと、買ったときよりも高い株価をつけてくれるように。
それまではずっと安いままで値動きが鈍く、不安しかなかったです。
優待はコメダ珈琲をはじめとした系列店で使えるポイント。
株主カードが発行され、年2,000円分が2回に分けてチャージされます。カードはアプリと連携できて便利。
株主アンケートに答えると、さらに500円分のポイントが上乗せされてうれしいです。
保有株数によって、チャージされるポイントが少し増えるようです。
コメダはコーヒーもフードもおいしいから
幸い、現在の自宅から徒歩圏内にいくつかコメダのお店があり、優待が使いやすい環境にあります。
ついこの間も、有効期限がギリギリだったポイントを消化するために、テイクアウトでハムサンドを買いました。
からしとマヨネーズたっぷりで、おいしかったです。
優待ポイントでモーニングへ行ったときの記事もあります。こちらもよかったら、読んでみてください。
コメダはコーヒーもおいしいしフードも食べごたえがあって、お得ですよね。手放さず長期保有したい銘柄です。
力の源ホールディングスのラーメン券
博多ラーメン「一風堂」でおなじみ、力の源ホールディングス。
国内のお店は、どこもわりと賑わっているし海外でも店舗を見かけるし、ということで買いました。
優待について、公式サイトにこう書かれています。
本券1枚をご精算時にご提示いただくと、対象商品の中から1杯を1回無料でご提供いたします。 ご同伴者様がいらっしゃる場合は、1枚につき2杯を無料とさせていただきます。(中略)
毎年3月末日及び9月末日の株主名簿に記載又は記録された株主様を対象として、保有株式数及び保有期間に応じ、株主様ご優待券をお送りいたします。
筆者は100株保有だから、ラーメン1杯が無料になる優待が受けられます。
連れがいればその人も無料になるというのは、粋な計らいですね。
長年、優待に満足してなかった楽天グループ
楽天も、まだ株を始めたばかりのころに高値で買ってしまった銘柄のひとつです。
最近、低空飛行の株価でウロウロしています。
優待は長年、楽天ポイントや各種アプリの体験などであまり面白みを感じていなかったのですが、2024年の優待でeSIMが支給されて、嬉しく驚きました。
筆者のスマホが古すぎて、eSIMが使えないことがわかり残念。
このeSIMを、ポケットWiFiで使えるタイプに変更してもらって優待を使えることがわかり、変更申請をしたところです。
SBIグローバルアセットマネジメントでは暗号資産も
金融機関の有価証券運用受託を主に、投信データ販売やセミナーなどを行うSBIグローバルアセットマネジメント。
暗号資産がもらえるという珍しい株主優待があります。100株保有で毎年、リップルという暗号資産が2500円分付与されます。
筆者は過去2回、暗号資産の優待をもらって現状、300円ほど利益が出ています。
加えて、同社が発行している株式新聞のweb版が期間限定で購読できる優待も。
付与される暗号資産はそう多くありませんが、ずっと持っていたら増える?と考えると、夢があるように思います。
ライオンは自社製品のセット
筆者の地元を代表する企業ということもあり、応援的な意味も込めて最近、買いました。
近年はアジアに力を入れているそうで、今後の伸びに期待したいところ。
まだ株主優待は受け取っていないのですが、公式サイトによると自社商品が届くそうです。
こういう「自社製品贈呈系」も、面白みを感じる優待のひとつ。おそらく自分では買わないだろうものを手に取る、貴重な機会です。
メタリアルの「学べる優待」
メタリアルは機械翻訳事業を手がけるベンチャー企業です。
「メタリアルAIカレッジ」の無料利用ができるとのことで、株主優待を楽しみにしています。
この優待について、下記のようなプレスリリース発表がありました。
ビジネス・業務効率化や生産性向上・新規事業の立ち上げ等に役立つ、法人向けのAIリスキリング動画やAI最新動向情報を提供予定です。
より具体的な内容として、AI スペシャリスト茶圓将裕氏による監修のもと、当社株主様限定
で、「AI ニュースメールマガジン」と法人向け「AI リスキリング」コースの「動画コンテンツ自主学習(LMS)」を無償でのご提供となります。ニュースリリースより
買いやすい株価だったとき、配当なしに納得して買いました。ベンチャーだけに値動きが激しくて、心臓によくない感じ(笑)。
JR九州の九州だけで使える優待と、他エリアでも使える優待
JR九州はかれこれ、3年ほど保有しています。配当もしっかり出るし、何より優待が楽しいんですよね。
鉄道株主優待券とJR九州グループ株主優待券、JR九州高速船株主優待割引券が保有株数に応じた額面で、毎年送られてきます。
鉄道株主優待券とJR九州高速船株主優待割引券は九州まで行かないと使えないですが、換金してくれるチケットショップもあります。
JR九州グループ株主優待券は都内にいくつか、使えるレストランがあります。直近の優待で筆者が受け取ったのは2,500円分。
連れと2人、少し贅沢なランチを楽しみました。
クリスマスプレゼントにも活かせる、エクセディの選べる優待
自動車の部品を手がけるエクセディ。トルクコンバータという部品のシェアが高いそう。
最近は小型の風力発電機なども作るそうで、将来性があるかもと考えて買うことに。
優待は「株主様ご優待WEBカタログギフト(3,000円相当)」。食べ物や日用品など、割と選択肢があって楽しい優待です。
クリスマスシーズンに届くこともあり直近では、2個入りのパウンドケーキを注文。実家と義実家に1個ずつ持参したら、とても喜ばれました。
こうした、品物がもらえる株主優待は「これ株主優待だから」と、人にあげられることも利点のひとつ。
もらいものといって渡すと、相手の気遣いが少し減っていい感じです。
KDDIは長期保有で優待が格上げ
KDDIは優待・配当ともによく人気の銘柄。筆者もずっと買いたいと思っていました。
コロナショックの暴落時に購入し、現在に至ります。
優待は3,000円分のカタログギフト。直近の優待では、鮭フレークをもらいました。
5年、継続保有すると5,000円のに格上げされるそうで、楽しみにしているところです。
【2024.12追記】
2025年度の優待より、カタログギフトからポイント等の贈呈に変更になったそうです。
公式サイトによると「保有期間に応じて、2,000円相当(1年以上5年未満保有)または3,000円相当(5年以上保有)の優待(当社関連サービスの特典)を贈呈」とのこと(「2025年度からの株主優待制度変更に関するお知らせ」より)。
24年度までは5年未満保有で3,000円、5年以上で5,000円のカタログギフトだったから、額面だけみると減っています。
25年度の優待を一度受け取ってみて今後、保有し続けるかどうか考えたいところです。
テアトルの映画鑑賞券など
テアトルは映画のチケットがもらえる優待銘柄のなかでは、株価が手ごろ。
一度手放したものの、優待の魅力におされて買い直しました。
保有株数に応じた枚数の「映画ご招待券」「提示割引証」がもらえます。
100株のみ保有の筆者に送られてくる招待券は、年間8枚。使いきれないことがあると、地味にくやしいです。
そんなに面白くなかった感のある優待銘柄
数は少ないですが、株を買って優待が送られてきて「思ってたのと違う」というものもいくつかあります。
例えば筆者の場合、エステ・ゴルフ無料券の優待銘柄を物珍しさで保有したものの、場所が遠くて行く機会に恵まれませんでした。
ほか、ネット上でできるストレスチェックや、企業向け福利厚生サービスアプリの利用権を得られる優待銘柄なども楽しみに買いました。
どれも、サービスを活用しきれず楽しめていない感じです。
ほか、自社サービス半額の優待なども、半額分の負担をするほど好みのサービスが見つからず使っていません。
ただ、この銘柄は長期保有でカタログギフトの優待がプラスされることもあり、手放さないでいます。
優待は「もらえる」か「割引」かが重要なことも
自社商品贈呈系の優待は魅力的で、優待目当てで買いたくなる銘柄も少なくありません。
もらえるのかと思って保有していたら割引券だったということには、気をつけたいところ。
1割引や2割引程度の値引きなら、ネット通販のセール価格などとあまり変わりません。
株式情報サイトや個人のSNSなどで見つけた優待情報は、買い注文を入れる前に公式サイトで再確認するといいようです。
面白くはないけど、実用性のある優待銘柄
面白みはないものの、金券がもらえる株主優待もいくつか保有しています。
企業の将来性や金券の額面をみながら、買うかどうか検討する感じです。
アサンテ
アサンテは住宅用シロアリ駆除の大手です。
優待は年2回。1000円ずつ合計2000円のギフトカードがもらえます。
原田工業
原田工業は自動車のアンテナを作っている会社です。
自動車用のアンテナというとラジオ?と思いますが、GPSやBluetoothなんかもアンテナで受信するんだとか。
この銘柄を買わなかったら知ることがなかった情報かも。
1年以上の100株保有で1,000円、5年以上だと1,500円のクオカードがもらえます。
スペースシャワーネットワークホールディングス
音楽番組の供給や大型フェスの主催、メイドカフェの運営などを行うスペースシャワー。
事業内容に面白みを感じて、最近買いました。
優待は500円相当のQUOカードです。
瑞光
瑞光は小児用・大人用紙おむつや生理用品の製造機を作っている会社です。
海外から日本へ買いにくる人がいるほど日本製おむつは人気があるそうで、この銘柄を買うことに。
配当は少なめなものの、毎年2,000円分のクオカードがもらえるから助かります。
橋本総業ホールディングス
橋本総業は住宅機器や空調の卸売りを主に行う会社。
優待は年間1000円分のQUOカードです。
橋本総業のQUOカードは、支援しているアスリートの写真入り。
使わずにもっておけば、プレミアがつくこともあるかも。
カナデン
保有株数に応じた額面のQUOカードがもらえるカナデン。ビル設備やインフラ、デバイスなどを手がける商社です。
最小保有数の100株では年間500円分です。1年以上保有すると1000円に増額されます。
NTT
NTTのような安定企業の株は、積極的に保有して配当・優待を安心して楽しみたいと思っています。
最近、株式分割をして安く購入できるようになり買いました。
優待はdポイント。2年以上の保有で1500ポイント贈呈されて、5年経過で3000ポイントに増額されるとのことです。
地味な買い方で損も得も小さいけど、優待は大きな楽しみ
筆者の場合、あまり株価の高い銘柄は買わず、小型株を中心に買い増しています。
優待の魅力を考えたとき、ディズニーランドを運営するオリエンタルランドなどは視野に入るかもしれません。
ただ現状、ワンデーパスポートを優待で入手しようとすると200万円以上の投資が必要です。
配当も高くなく、株価が暴落したり優待がなくなったりすると損を回収できにくく、買い注文を入れる勇気が出ません。
株主優待制度を実施している企業は多いけど「これいいかも」と思うものは、なかなかなくて。
優待選びはある意味、宝探し的な感覚もあります。お金を動かすこととは別の楽しさを感じられる投資と言えるのではないかな。