入院したことがないのでわかりませんが、仕事を持っている人が比較的長期(数週間〜数ヶ月程度)の入院をする場合、パソコンなどを持ち込んで病室で作業することも多いようです。
パソコンが持ち込めるかどうか、wifiはつながるか、など入院先によって環境は違うとのこと。
自分の配偶者が脳の病気を患って3週間ほど入院することになり、在宅ワーカーの入院を身近に感じています。
在宅勤務扱いで、会社員の配偶者が入院
自分の配偶者は会社員ですが、コロナショック以降もしばらく在宅勤務とは無縁でした。
希望をすれば在宅もOKの職場でしたが本人が、自分の業務は在宅ワークと相性がもうひとつと感じていた様子。ずっと通勤していました。
そんなあるとき、体調不良が続いて近所のクリニックで検査を受けたところ、手術が必要な病気ということが判明。
命に関わる病気ではないとのことですが、手術と3週間くらいの入院が必要と言われました。
入院までしばらく時間があったのですが体調が思わしくなく、やむなく自宅で仕事をすることに。
そうこうするうち、入院の日を迎えました。
有休たくさん余ってるのに在宅勤務扱いで入院って?!ゆっくりすればいいのに、と思いましたが、勤め人はそうもいかないんでしょうか。
10時間に及んだ手術。その間「ご家族の方は病院内にいてください」と
入院から数日後に迎えた手術の日。
朝7時半ごろ病院へ来るよう前日、指示がありました。手術は8時開始で、6〜8時間くらいかかるだろうと言われていました。
手術室へ向かう病人を見送ってひとり、病院の待合室でスマホを見たり本を読んだり。
長時間に及ぶ手術を待つのは初めてで、勝手がわからずぼんやり座り続けるばかりでした。
手術の待ち時間が長い。可能なら、家族も病院でテレワーク
後から考えてみれば、手術の待ち時間が長いならネット環境を整えて待合室で仕事をしてもよかったかなと思います。
そのほうがヤキモキせず、平常心で過ごせたかもしれません。どこでも仕事ができるテレワークは、手術の待合室でもその醍醐味を発揮しそうです。
そう考えると病人を看病していたり、子育てや介護をしていたりする人が在宅勤務できる(=出社しなくていい)というのは本当に便利なことだと思います。
もちろん大変な部分もたくさんありますが、通勤しているときと比べたら何かと都合がいいです。
親の介護をしていたときも、テレワークで良かったと常々感じていました。
介護時代のことをまとめた記事があります。参考なればうれしいです→ 在宅ワークで親の介護をした4年を振り返る「仕事と家事、介護の終わり」
待ちくたびれたころ、執刀医から手術終了の知らせ
手術を待つ間はお昼ご飯も院内で済ませてください、待合室を出るときは申し出てくださいと、なかなかの縛りがありました。
食べている間に呼び出されたらどうしようという思いから、食堂で何か料理を注文して食べる気にはなりませんでした。
予定の8時間を過ぎても手術は終了せず、日が暮れてきました。
仕事を早退してきた配偶者のきょうだいが駆けつけ二人、待合室でさらに待つこと2時間。
執刀医が自ら待合室にやってきて「手術終わりました」と。長時間に及ぶ手術で執刀医の目は充血し、疲労困憊ぶりがひしひしと伝わりました。
その後すぐ、麻酔から覚めかかっていた本人とICUで対面。ミイラのように頭に包帯を何重にも巻かれた状態でしたが、生きていてよかったという気持ちしかなかった。
元気で生きてさえいれば、あとのことはどうにでもなりますね。本当に。
配偶者のきょうだいとのやりとり
配偶者にはきょうだいが一人います。
コロナ前は親戚が集まってたまに飲んだりもしていましたが特段、仲良くしているということはありませんでした。
今回のことがあり初めて連絡先を知り、密に連絡をとるように。
手術終わりには手を取り合って喜びました。その夜初めてサシ飲みし、なんだかんだと話すこと数時間。
お互いすっかりできあがって、疲れていたこともあり早めに帰宅しました。
非日常の経験をしたおかげで、普段つき合いのない親戚との間が少し狭まったような気もした1日。
可能なら配偶者のきょうだいとは、遠慮なく連絡が取れる間柄だと心強いかもしれません。
中年になった自分たちの入院を、老親に伝えるかどうか
今回の病気と入院、手術の件をお互いの老親たちに伝えるかも課題でした。
双方の老親はすでに独居で、とくに配偶者の親はここ数年、入退院を繰り返す療養の日々を送っています。
きょうだい皆で話し合い入院治療や手術のことは、親には伏せておくという結論を出しました。
心配のあまり、老親たちの心身にダメージが及ぶのを恐れたからです。
ただもし手術時などに万一のことがあったら。そこまで踏み込んでの話はしていませんでした。
今となれば、手術の成功を感謝するばかりです。
普通に仕事してる病人テレワーカー
手術の翌日。どこからどう見ても病人なのに、病室で仕事を再開したと連絡がありました。
在宅勤務というか、在病床勤務ですね。
今までもごく限られた職業の人が病室で文章を書いたり、人が訪ねてきて打ち合わせをしたりといったことはあったかもしれません。
どこにいても連絡が取れてしまう現代、デスクワークの人はみな病院にいても仕事をする環境が整ってしまいます。
これがいいことなのかそうでないのか、難しいところですね。
在宅勤務でも、そうでなくても入院は大ごと
退院後も長期療養が必要だったり、あるいは出産で入院していた場合などはしばらくの間、従来と同じ仕事量をこなすのは厳しいでしょう。
正社員で休暇を取れる立場の人ばかりではないし、もしかするとそういう環境下であっても仕事量をそのままで収入を減らさず働きたいという人もいるかもしれませんね。
ただ体調が元に戻らなかったり、心に不安を抱えるようになると大変です。
在宅勤務が普及したいま、本人と周囲の人たちで退院後や病後、産後の労働環境が適切なのかどうかしっかり見極める必要がありそうです。
在宅ワーカーの退院後
在宅勤務なら、退院した翌日から仕事に戻れる方も多いかもしれません。
自分の配偶者も退院後、次の日からテレワークで仕事復帰していました。
ただ、少し肝を冷やしたことがあります。
入院に当たってお世話になった友人や知人、仕事仲間への連絡を忘れそうになったことです。
退院したその日に「在宅で仕事復帰しています。いろいろお世話かけました」と一声かければよかったのですが、うっかりしました。
週のなかばに退院したものの、快気祝いなどの用意が後手に回ったことを少し後悔しています。
自分も含めて家族の入院は今後、できれば避けたいところ。でも、もし機会があれば退院後の連絡は忘れないようにしたいものです。
テレワークでも通勤でも、病気にはなりたくない
生きていれば病気になることもあるし、在宅勤務だと、入院しても仕事を手放せないこともありそうです。
在宅ワーカーであれ通勤ワーカーであれ、病気をしないよう最大限、気を配りたいですね。
とくに組織に属さない自分のような労働者は、入院時・療養時の保障などを日頃から把握しておく必要もありそうです。
いざというとき慌てないようにするにはどうしたらいいか、まずはそこから始めよう(と思った)。