長時間のデスクワークで、腰痛や肩こりに悩まされていませんか。
筆者もこうした悩みを抱えていた一人です。そこで最近「スタンディングワーク」を取り入れました。
実際に初めて見て感じた効果を3つ、お伝えします。
座りっぱなしが身体に与える影響って?
座りっぱなしでつい、長い時間が経つと「肩痛っ!」とか「腰重っ!」となりませんか。
痛みや重さを感じたときは、身体に悪影響かも?と思ってしまいます。
専門家の研究でも座りすぎの危険性については、よく言われるところのようです。どんなリスクがあるのでしょうか。
座りっぱなしが引き起こすかもしれない「心血管疾患」
心血管疾患は心臓につながる血管・心筋に異常が出て、心臓へ血液がきちんと送られなくなる状態をいいます。
主な心血管疾患には心筋梗塞や狭心症があります。とある学術論文に、
長時間の座りっぱなしは心血管疾患のリスクを高めることが知られています。運動不足による血流の悪化や、血圧、コレステロール値の上昇がその要因とされています。
Oxford Academic「職場における座りっぱなしの行動:健康への影響」より抜粋
といった記述が。同じ姿勢でずっと座っていると血のめぐりがよくない?と感じる瞬間、ありませんか。
デスクワークのほか車の運転、新幹線や飛行機での長距離移動なども、気をつけたいところです。
糖尿病や代謝障害のリスクも!?
座りっぱなしと糖尿病が関わっているとは、恐ろしいことです。
代謝障害は体を構成している糖やたんぱく、脂質などの新陳代謝がうまく行われなかったり、体内でエネルギーをうまく産み出せない状況をいいます。
座りっぱなしは2型糖尿病の発症リスクを増加させます。これは、インスリン感受性の低下や血糖値の上昇と関連しています。
Oxford Academic「職場における座りっぱなしの行動:健康への影響」より抜粋
といった専門家の意見も。一刻も早く、立ち上がる必要を感じます。
座りっぱなしには、がんのリスクがあるという指摘も
座りっぱなしは、がんも呼び寄せるなんて。長年座ってたけど大丈夫かしら。
座りっぱなしの時間が長いと、特定のがん(特に大腸がん、肺がん、乳がん)のリスクも高まることが示されています。
Oxford Academic「職場における座りっぱなしの行動:健康への影響」より抜粋
大腸がんも肺がんも乳がんも、われわれ日本人にポピュラーながんですね。何十年デスクワークしてたんだ?と思うと泣けてきます(T ^ T)
座りすぎないように、どうすればいいか
とはいえ「座るな」と言われても。どうしたらいいのでしょうか。
世界最大の総合非営利医療グループ「メイヨークリニック」のコラムに、座りすぎないためのアイデアがいくつか紹介されています。
- 30 分ごとに座るのをやめて休憩してください。
- 電話をしたりテレビを見たりするときは立ってください。
- デスクで仕事をしている場合は、スタンディングデスクを試すか、高いテーブルやカウンターを用意してください
- 会議室に座っているのではなく、同僚と一緒に歩いて会議に向かいます。
- 一日中体を動かしていられるように、トレッドミル(自走式ルームランナー)の上に作業面を配置します。
- スタンドにコンピューターの画面とキーボードを置くか、トレッドミルに対応した専用の垂直デスクを使用します。
メイヨークリニックコラム:成人の健康「座りすぎるとどんなリスクがあるのでしょうか?」より抜粋
器具の導入は、すぐには難しいかもしれませんね。すぐにできることから、取り組んでいきたいものです。
オンタイムにこうした行動を取り入れることで集中力が増したり、疲労を感じにくくなったりもしそうですね。
スタンディングワークは、どうやって始めればいいのか
立って仕事をするために専用の机やルームランナーなどを用意しようとすると、少しハードルが高いかもしれません。
筆者もスタンディングデスクを導入しようと検討中ですが、現状は手持ちの棚の上に丈夫な段ボールを置いて、その上にパソコンを乗せて作業しています。
スタンディングデスクの高さは身長の2/3程度がいいようです。
スタンディングデスクの導入に向けて
企業・個人ともに、スタンディングデスクの導入は増えている様子。
少し検索しただけでも、いろんな商品が出てきます。
スタンディングデスク・モニターアーム専門店「FlexiSpot」
スタンディングデスク専門店FlexiSpotの公式サイトを覗いてみました。
選び方についてのコラムなども載っていて、導入がより現実的になるように思います。
スタンディングデスクは楽天市場やヤフーショッピングなどでも、多く取り揃えています。
普段お使いのこうしたECサイトなら、ポイントが使えたりするとお得に取り寄せられるかもしれませんね。
試してみて実感した、スタンディングワークのいいところ3選
筆者は1日のうち、パソコンやスマホで何らかの作業をしているのは8時間くらいです。仕事をしていることもあれば、動画を見たりして遊んでいることもあります。
現状はこのうち半分を、スタンディングワークの時間に充てています。遊んでいたらワークではないですね、厳密には(笑)。
スタンディングワークを始めたばかりのころ、張り切って一日じゅう立っていたら疲れすぎてしまいました。半日くらいが自分には、あっているようです。
個人差があるかと思います。無理のない範囲で、取り組みましょう。
ある程度の時間、立ったまま過ごすとカロリー消費がしっかりできる
当初は「ただ立っているだけだと、カロリーを消費しにくいのでは?」という疑問がありました。
どこかで立ち仕事のカロリーを計算しようと検索して、計算機の老舗・CASIOによる「生活や実務に役立つ計算サイトkeisan」というサイトを発見。
立っていた時間と体重を入力すると計算できます。4時間、立ち仕事したときのカロリーを計算してみると。
運動強度1.8メッツ、消費カロリー348kcalと表示されました。348カロリーというと、普通の大きさのカップラーメンや、少し大盛りにしたご飯と同じくらいの感覚ですね。
ちなみに「メッツ」とは、普通に座ってじっとしている状態を1として、運動の強さがどれくらいかを表す数字です。
普通に歩いた時の強度(メッツ)は3だそう。ということになると、ただ立っている状態の運動強度はゆるやかなものと理解できますね。
4時間のスタンディングワークで、割といい感じにカロリー消費できると思いませんか。
血行不良の不安がなくなる
座りっぱなしで過ごしたとき、特に電車や飛行機等での長距離移動で座ることが必須だったりすると、エコノミークラス症候群などの不安があります。
長時間移動で血行の悪化を強烈に実感して、そのときのことを長時間座りっぱなしの恐怖体験から、日々のデスクワーク対策を考えるという記事にしました。
立っていれば、血行悪化の心配も少なそうです。
今日も座りっぱなしだった、と思わなくてよくなる
筆者は忙しいことはまれですが、急ぎの仕事を頼まれたりすると少しの間、あたふたすることはあります。
「昨日も今日も座って仕事してたら日が暮れた」という状況が続くと、なんとなくストレスを感じることも。
立って仕事をしていれば、長時間の作業をしている間も座る・立つのメリハリがあって、ストレスがたまりにくいように思います。
とはいえ立ちっぱなしはキツい。立ったり座ったりはバランスよく
スタンディングワークには、これといった決まりなどはありません。それぞれ自分に合った時間や方法で、取り組めばいいと思います。
立つ・座るのメリハリをつけるために、かんたんな時間管理術を取り入れるのも一策でしょう。
スケジュール管理のアイデア「ポモドーロ・テクニック」
25分の仕事や作業と、5分の休憩を繰り返す時間管理術として知られるポモドーロ・テクニック。
イーロン・マスクやオードリー・タンなどの著名人も実践していて、有名になりました。
25分立ち仕事をして、5分座って休むことから始めれば、スタートしやすいのではないでしょうか。25分スタンディングワークして大丈夫そうなら、少しずつ時間を長くしていくことで慣れてきます。
無理なく続ければ、習慣になるでしょう。
スタンディングワークにプラスして「ゴロ寝」ができるとうれしい
立ったまま仕事をし始めたころ「座る時間を減らすなら寝るのもありか?」と、ちょうどいい大きさのヨガマットにゴロ寝してみました。
長らく、押し入れの肥やしになっていたヨガマット。こたつ机の下にも入る大きさで、寒い時期のゴロ寝にも便利です。
寝そべったままできる仕事は限られますが、資料に目を通すなど、ちょうどいい作業があったときは積極的にヨガマットの上で寝てます。
ヨガマットなら熟睡することはないし、長時間寝てしまいそうと思ったら、アラームが鳴るようにしておけば安心です。
少し横になるだけでも、身体が楽になります。できる環境にあれば、ぜひ。
座りっぱなしのデスクワークから「立つ・座る・寝る」へ
こちら長年、座って仕事することに慣れきっていましたが、スタンディングワークを取り入れることで日々の作業時間にメリハリが生まれたように思っています。
さらに、ヨガマットに寝そべることで適度にリラックスもできて、デスクワークによる疲労から解放された感があります。
ヨガマットは寝そべるだけでなく、ヨガやストレッチにも使いたいところですが( ˊᵕˋ ; )
参考にした情報について
この記事では健康医学に関する情報について、Oxford Academicとメイヨークリニックに掲載されている情報を参考にしました。
ほか、記事内でスタンディングデスク専門店FlexiSpot、CASIO「生活や実務に役立つ計算サイトkeisan」も紹介しています。