勤務先がつぶれた45歳を境に、安定した収入を失いました。
失業手当を受給しながら「これからどうする?」と、考えること1年。
もう一度サラリーマンをしようと一瞬、思ったものの、その選択はしませんでした。
現状は基本、在宅でできる業務請負の仕事をして生活費をまかなっています。業務量としては週3・半日程度の稼働です。
加えて、会社員時代からしていた副業と投資の収入があります。これらは生活費にせず、再投資して増やすのが目的です。
セミリタイアとは。完全リタイアとどう違うの?
セミリタイアとは完全に仕事を辞めず、一部の仕事や活動を続けることを指します。
例えば週に数日だけ働いたり、趣味や副業に時間を割いたりするライフスタイルです。
完全リタイアとは異なり、セミリタイアの多くは現役時よりも少ない仕事量で社会とのつながりをキープしつつ、生活費もまかなっています。
仕事と生活のバランスを重視し、余暇を楽しむことに焦点を当てた働き方といえるでしょう。
筆者は完全リタイアではなくセミリタイア
筆者が現状の生活について、友人に話したとき「セミリタイアだね」と言われました。
週3・半日程度の仕事で生活費を稼いでるだけで自分としては、リタイアしたつもりは特にありませんでした。
でも自分の時間がたくさんもてて、仕事はテレワークなうえシフトをある程度自由に選べる生活、いわゆる「セミリタイア」にはかなり満足みを感じています。
こんなことならもっと早く、自分の意思でサラリーマンを辞めればよかったです。
FIREという言葉も聞くよね
FIRE(Financial Independence, Retire Early)は、貯蓄などである程度資産の見通しをたてたうえで、高齢になる前に早期リタイアするライフスタイル。
収入を増やしながら支出をおさえて貯金や投資をし、若いうちに仕事を辞めて自由な生活を送ることを目指します。
節約や投資を通じて経済的な自立を達成し、時間やエネルギーを自分の好きなことに注げるようになるのが理想です。
ただFIREには、ある程度効率のいい資産形成に加えて、リスク管理が必要です。計画的な資産運用やライフスタイルの調整も不可欠でしょう。
FIREは単なる経済的目標ではなく、自己成長や充実した人生を追求する哲学とも、いえるかもしれませんね。
FIREにもフルFIREとサイドFIREがある
FIRE(Financial Independence, Retire Early)は、フルFIREとサイドFIREの2つに大別できます。
フルFIREは、完全に仕事を辞めて自由に生活することを目指す考え方です。
仕事を辞めて貯蓄や投資によって資産を活用し、収入源を確保することを重視します。
一方、サイドFIREは定期的な仕事を続けながらも、自由な時間やライフスタイルを追求する考え方。
パートタイムの仕事や副業を通じて収入を得つつ、自分のペースで生活するのがスタンダードなサイドFIREの姿といえるでしょう。
どちらも経済的自立を目指す点では共通していますが、フルFIREはリタイアを、サイドFIREは柔軟な働き方を重視しているといえるのではないでしょうか。
筆者がセミリタイアするにあたって考えた「お金の稼ぎ方」
サラリーマンを辞めたきっかけは勤務先がつぶれたことでしたが、そのずいぶん前から、会社を辞めたいと思っていました。
でも、辞めたらどうなるかがリアルに描けず結局、20年近く会社員を続けました。
フルタイムと通勤を卒業したかったから、在宅パートに
会社がつぶれたあと、筆者は1年ほど無職になりました。
その間しばらく、サラリーマン時代のお金の使い方が抜けず、出費が減りませんでした。
だもんで無職になった当初は正社員として、再就職しなければならないかと考えていました。
でも、働かない生活に慣れるにつれ出費が減って、会社員時代の半分程度の生活費で過ごせるようになり「もうフルタイムで働く必要はない」と確信。
当時はコロナ禍でテレワークが推奨されており、在宅パートの仕事が探しやすくなっていた感があったと思います。
筆者も、通勤時間や通勤用の服などが要らない在宅ワークを探すものの、仕事を見つけるまでには3ヶ月ほどかかりました。
仕事探しが長期に及んだ原因は、自分の経験や年齢にふさわしい在宅パートの仕事を探すのに慣れていなかったからです。
仕事探しは、探し方が分かればそんなに難しくないのでは、と今は思います。
40代の筆者がよく使う求人サイト
勤務先がつぶれて、失業手当が終了しそうになってぼちぼちと仕事探しを始めたころは、目についた求人サイトから手当たり次第に、応募をしていました。
あまりに不採用、というか応募の返信連絡すらもこないことが多くて「年齢がネック?」と思い立ち、自分の年齢の人を積極的に探しているサイトにしぼって仕事探しを始めました。
ママワークスやしゅふJOB、はたらこねっとあたりは主婦・主夫を主なターゲットにしています。
30代から50代、もしくはそれ以上の応募を歓迎している様子。
筆者の場合はこうした求人サイトを利用すると、採用してもらえやすい印象があります。
フルタイムでないなら、どれくらい働く?
フルタイムで働くのをやめようと思ったとき「では、どれくらい働けばいいのか」ということを、まず考えました。
どれくらい働くか?ということに対する、自分が納得できる答えを導き出すのには、なかなか時間がかかりました。
時間をかけて筆者が出した答えは「生活できるギリギリの報酬が得られるように労働する」でした。
労働による収入以外の、このサイトから発生する広告報酬や、投資による不労所得などが得られたときは、それらを再投資することで、資産を少しずつ増やしていこうという考え方に落ち着きました。
サイトが稼ぎ出す広告報酬や投資による不労所得は安定しないので、これらを生活費に充てることは現状、考えていません。
自分の裁量で仕事をしたい
会社員時代を振り返ると、自分の裁量で仕事を選べないのが大きな悩みだったように思います。
クライアントの顔色をみて儲からない仕事を請けたり、「なぜこの仕事を続けるんだろう?」と疑問が残る作業を渋々していたりということが多くて、自分の裁量でできていた仕事はごくわずかでした。
そうした背景があり、サラリーマンではなくなってみて、まず考えたのは「自分の裁量で仕事がしたい」ということでした。
働く時間や働き方、そして仕事内容まで全て自分の裁量で決められるのは今の、大きな喜びです。
セミリタイアから3年の間に経験した2つの労働
4年前に勤務先がつぶれて無職になったあと、1年ほど失業手当を得て暮らしていました。
失業手当の終了が3ヶ月後に迫ってきたころから仕事探しを始めるも要領を得ず、なかなか希望通りの仕事は見つかりませんでした。
手当をフル受給し、無収入状態に陥ろうとしていた一週間前に、やっと仕事が決まりました。
そのころのことは「40社以上の連続不採用で考えた、メンタルを病まずに仕事を得るコツ」という記事にまとめています。
会社員でなくなってからこちら、2つのパート勤務を経験しました。
どんな仕事で、どんな働き方だったかをまとめてみたいと思います。
大手企業で派遣パートスタッフを1年
もうフルタイムで働くのをやめようと考えて最初に選んだ仕事は、社員数千人規模の大手企業での派遣労働でした。
週3〜4回、出社・在宅を織り交ぜた契約で、採用から3ヶ月ほど出社を命じられたあと、テレワークの日がある働き方になりました。
出社はしたくなかったのですがこの仕事が決まる前、なかなか仕事が見つからない状況が続いたので条件を飲むことに。
出社ありという働き方が不本意だったうえに、大手企業での派遣労働は決まりごとが多くて、とても窮屈でした。
週の半分が在宅に切り替わったあとも、たくさんの机が並んだ大部屋での勤務に耐えられず半年が過ぎたころ、契約更新しないと回答しました。
どうしてもあと一度だけ契約更新をと言われ、1年ほど勤務して契約を終了。
このときの経験をふまえて、次の仕事探しはパート勤務・在宅であるという条件に「ある程度の自由さ」が加わりました。
ベンチャー企業でパートスタッフを2年
派遣でのパート勤務を1年続けたあと、社員数名のベンチャー企業で、在宅パートスタッフとして採用されました。
このときは自分にマッチングしやすい仕事の探し方を心得ていたこともあり、前職の終了から間を開けずに仕事をスタートできました。
勤務先は起業3年という新しい会社。1ヶ月ほど出社して研修を受けたあと、在宅パート勤務が可能になりました。
打ち合わせや各種ヘルプ業務でたびたび出社しましたが、この会社はかなり自由度が高くシフト変更も容易で、気持ちよく働いていました。
入社から2年ほど経過したころ「業績不振で雇用を継続できなくなった」と通達があり、自分を含め5名いたパートスタッフはみな契約打ち切りに。
ベンチャー企業のような会社は自由な働き方がしやすい反面、財政面で脆弱なところが多いのかなと考えさせられました。
3年で2社、パート労働を経験して分かったこと
筆者は大手企業での派遣パートスタッフ(在宅+出社のハイブリット勤務)、ベンチャー企業でのパートスタッフ(テレワーク)と、3年の間に2つのパートタイム勤務を経験しました。
金銭的、時間的には思い描いていたとおりの仕事でしたが、大手企業では窮屈さを、ベンチャー企業では解雇を経験しました。
2つのパート労働をしてみて感じたのは「いつでも、次の仕事に移れるよう準備をしておく」ということです。
さらに、労働報酬も1つだけではなく2つ、3つと出どころがあると、報酬が減るリスクを回避しやすくなるかなと思っています。
セミリタイア後の収入の内訳
筆者の場合、今のところセミリタイア後の収入の内訳はあまり変わりません。
収入の柱は大きく分けて3つあります。
テレワークによる労働所得
労働所得は、在宅でできる請負業務から得ています。
決まったタスクをこなせば必ず支払われる労働報酬は、少額でも毎月コンスタントに入るから安心。
直近の仕事では、週3・半日ほど働いて10万円ほどの報酬を得ています。
今後はこれを分けて、10万円を2つ以上の労働から得るのが理想かなと考えています。
株と不動産による不労所得
株と不動産による不労所得は、時期によって変動があるものの筆者の場合、月換算で5〜7万円の収入になります。
この報酬があるのは、自分としてはかなり安心材料です。
ただ、これらの不労所得は投資をしてから報酬を得るまでに、数年〜10年単位の時間がかかりました。
振り返って考えると不労所得の作り方をあまり知らなかったのが原因でしょう。
もう少し手堅く、資産を運用する手立てについて、現在も考え中です。
サイト運営による自営所得
このサイトには、ところどころに広告を配置しています。これらの広告も、大事な収入源のひとつです。
ただ株や不動産と同様、こうしたネット広告による収益は、どうしても不安定なことが多いです。
今後、これらの収益を安定させられればと試行錯誤しています。
とはいえネット広告などで一旦、まとまった報酬を得たように見えても数年で廃業したり、破産したりするケースはよく目にします。
時間をかけてじっくりと、自営所得をもう少し増やせればうれしいところです。
セミリタイアしてからはお金のことを定期的に、プロに相談するようになった
会社員でなくなって安定した収入を手放してからは、お金のことをよく考えるようになりました。
一人で考えているとどうしても、限界を感じがちで。とはいえ、お金のことは家族や友人には相談しづらいんですよね。
やっぱりお金は大事。使う・節約・投資について、よくよく考えた
お金のことをあからさまに話すことを避ける風潮は、日本人には多いのかなという印象があります。
たとえば、給料いくら?とか、今月どれくらい儲かった?とか。
ひとり悶々と考えていてもなかなか、納得のいく運用方法が見つからないでしょう。
コンスタントにプロに相談する機会を作ってみるのも、ひとつの方法です。
無料で受けられるお金の相談といえば、ファイナンシャルプランナー相談などがスタンダードですよね。
ファイナンシャルプランナー相談は便利だけど、金融商品をすすめる営業もよくある
筆者もファイナンシャルプランナーへの相談を今まで、何度か経験しました。
無料のサービスが大半です。最近はオンライン相談OKなところも多く、時間を作ってどこかへ出向かなくていいから手軽。
ファイナンシャルプランナーが相談者に保険商品などを説明・紹介することで保険会社などから手数料を得ており、無料で相談が受けられます。
ただ、相談に乗ってくれて、こちらの疑問や悩みを解決してくれたうえでふさわしい商品を紹介してくれるなら問題ないのですが、いきなり高額な投資商品を勧めてくることもよくあるんですよね。
そういうときは時間を無駄にした感じになります。
満足度が高かったお金の相談サービスについて
こうしたサービスでは、こちらでファイナンシャルプランナーを指名することは難しいようで、どのサービスを受ければ必ず大丈夫!とは言い切れませんが、最近、相談を受けたサービスのなかでは、ガーデンという貯蓄相談が割と満足度が高かったです。
お金の無料相談では、申し込み時に「営業は相談の後ね」とクギを刺しておいて、いくつかのサービスを体験・比較してみるといいようです。
筆者はこうしたサービスを利用するとき、デジタルチケットなどのおまけがついているものを選びます。
おまけつきのサービスを検討したときのことを、別記事にまとめました。
実際に利用したサービスについては、体験談も掲載しています。「FP相談はプレゼントがあるとうれしい。おまけ付き12サービスを調査」という記事も、参考になればうれしいです。
セミリタイアしてよかったと思っていること
セミリタイアといわれる生活スタイルになって3年。
この生活はなかなか、心地がいいなと感じています。
労働的な仕事は隔日・半日なうえテレワークだから、ストレスがほぼありません。
それなりの働きで仕事を「楽しい」と思う程度の余裕があり、自分の時間もたくさんもてます。
セミリタイアすることで手放したもの
会社員という立場を離れたことで、安定した収入や社会的ポジションを失いました。
そうなるとローンが組みにくい、家を借りにくいといった状態になります。
ローンを組んだり家を借りたりする計画はないので、サラリーマンでなくなってみて困ったと感じることは今のところ、自分としては特にありません。
セミリタイアは貯金がなくても、可能ではあるけれど
筆者の場合20年近く、自分の意思とは別に会社員を続けました。
もっと早くやめればよかった。
ただ、サラリーマンを続けたおかげで貯蓄や年金の面で不安がなく今、セミリタイアできている感はあります。
貯金が少ないとセミリタイアしたつもりでも、割と働かなくてはいけない状況が起こりやすいかもしれません。
現金や金融資産を含めて、ある程度お金があるほうがセミリタイアを現実的に意識しやすいかもという印象はあります。
定年を待たずに早期リタイアをと考えているなら、定期的な収入を手放したあとの生活費のやりくりについて、計画を始めるといいのでは。
セミリタイア的なライフスタイルを3年続けてみての、個人的な実感です。
ただ、あまり考えすぎると筆者のように、やめどきを見失うのでそこだけ、注意が必要でしょう。
セミリタイアしても、生きている限りは生活費がかかります。
自分が気持ちよく暮らすために、セミリタイア後はどれくらいのお金がかかるのかを試算することから始めましょう。
セミリタイア後の生活費は、安心して暮らせる最小限でいいのでは
この記事を読んでくれているあなたは、おそらくストレスが少なく、時間にゆとりのある暮らしをしたいという思いがあるのでは。
筆者もセミリタイア的な暮らし方をしてみて、心に余裕ができて節約などにも楽しく取り組んでいる実感を得た一人です。
同時に、フルタイムではない働き方で労働報酬を稼ぐようになってみて「1つの企業や団体で長く働くのは難しいかも」と考えるようにもなりました。
小さな報酬が得られる仕事を掛け持ちして、収入の出どころを分散しておくともっと安心かなと。
とはいえ、働きすぎてしまったらセミリタイアした意味がありません。
収入が少なくても、筆者は今の生活をとても気に入っています。
この生活をずっと楽しめるように、小さな工夫を積み重ねていこうと思っています。