数日前に出先でパソコンを使おうと、スマホのテザリング機能を初めて利用しました。
テザリングとはスマホにルーター的な役割をさせて、パソコンなどをネット接続できるようにする機能です。
思ったより簡単で、すぐにパソコンもネットにつながりひと安心。
これなら、現状はネット環境がない実家でも仕事できるかな?と淡い期待を抱きました。
でも作業を続けること数分。自宅の光回線で作業をするよりだいぶ、ネットが重いことを実感。
実家で仕事するときはギガを気にしつつスマホが基本かな、という印象をもちました。
一人暮らしをやめ、実家へ帰ってテレワークをしたときのこと
2010年の夏、当時の職場から在宅勤務を打診されました。勤めていたのは地方の零細企業です。
「父親が倒れて介護が必要になったから、会社をやめて地元に帰りたい」と申し出たら、在宅勤務でいいから退職しないでほしいと言われ、地元へ戻ってテレワークを開始。
そのころ、一人暮らしに慣れきっていたこともあり家族との同居が不安で、実家の近所にアパートを借りて仕事場兼リラックススペースにしていました。
でも親の介護度が進むにつれそのアパートから足が遠のき、4年後に解約。その後は完全に実家でのテレワークになりました。
実家ではテレワークと親の介護がセットになっていた
テレワークを始めた当初、実家の近所に借りていたアパートをワークスペースにして、毎日そこへ通っていました。
仕事が終われば実家へ帰り、朝起きてまたアパートへという生活。
メリハリがあって良かったのですが当時、要介護だった親の具合が悪いとアパートへ行けず仕事がストップしてしまいました。
東日本大震災のときは余震が続くなか、ひび割れてくる道を座布団片手に走って帰った記憶があります。
親の介護をするなら、やっぱり同居が基本かもしれません。
介護末期にテレワークの利点を実感
父親の介護は3年目を迎えるころから、かなり厳しいものになりました。
食事やトイレの介助が必要になり、4年目を過ぎるとうっかり目を離すことも不安な状況に。
テレワークでよかった!と思えたのはこのころです。
調子が悪そうならそばで見ながら仕事ができるし、具合が良ければ一緒に食事をしながら会話もできる。
父の最晩年をテレワークで過ごせたのは、自分の意思ではなかったけれど結果的には良かったと思っています。
職場を辞めたかったけど、介護しながらできる仕事を新たに見つけられるか不安だった
とはいえ、介護しながらテレワークできるって最高!とずっと思っていたかというと、そうでもありません。
当時の職場と仕事にはあまり満足していなくて、在宅勤務を打診されたときも悩みに悩んで決断しました。
親が要介護になる直前まで「そろそろ会社辞めようかな」と考えていたんですよね。
でも、要介護の老親を抱えて収入がなくなってしまったら、という不安から、そのときは退職をあきらめました。
介護しながらテレワークできたことは良かったと思う一方で、別の働き方もあったのではとも思います。
親の介護に加えて、夢中になれない仕事にフルタイムで拘束されるのは今思い返すと、なかなかのストレスだった気がします。
テレワークで実家へ帰ることを迷っているなら、まずは帰ってみませんか
何らかの理由で実家へ帰って現在の仕事をテレワークで続けようと思っているなら、まずは帰ってみることをおすすめします。
想像だけでは、わからないことも多いから。いま住んでいる家はそのままにして、いつでも戻れる状態だとなおいいかと思います。
自分も地元に戻ってテレワークするようになってからもしばらくは、一人暮らししていた家をそのままにしていました。
購入した家だったので半年くらい経って「住んでないなら借りてあげる」と友人が申し出てくれ、その後は家賃収入を得ていました。
友人は数年で引っ越してしまいましたが引き続き賃貸経営をして、住宅ローンを完済した今はわずかながら収益があります。
購入した家をローン支払い中に貸したことで、銀行からはめっちゃ怒られました。でも、貸そうと思って買ったのではない家が、結果的に不労所得を生んでくれました。
実家でテレワークしていなかったら、もしかしたら得られなかった収入かもしれません。
家族との関係が良好なら、実家でのテレワークはやりやすいと思う
自分の経験を振り返ってみると、20代前半で実家を出て一人暮らしするまで、親との関係はあまり良好ではありませんでした。
悪い関係ではないけど、できれば離れて暮らしたい的な。
離れてみて、互いを客観的にみることができたのでしょうか。介護のために地元へ帰るころには、かなり良好な関係が築けていたと思います。
それでもすぐには同居に踏み切れず、近所に部屋を借りて毎日実家に通いながら数年の様子見。再び親と同居したのは、実家を出てから15年後のことでした。
家族との関係が良好なら、実家でのテレワークはうまくいくと思います。年老いていく親御さんの立場からすれば、大人になった子どもが働きながらそばにいてくれるのは本当に心強いでしょう。
若いときは居づらかった実家も、年齢を経て戻ってみると案外過ごしやすい場所になっているかもしれません。
実家が近場の場合のテレワーク
いま住んでいるところと実家が近いなら、テレワークに踏み切るのもそう難しいことではないかもしれませんね。
ただ、住んでいる時間が長い家だと、そこをどうするかは少し悩ましいところです。置いてあるものの処分とか。
実家が近場のテレワークの場合、コストはかかるけれど現居をそのままにして少しずつ生活と仕事の軸を実家にずらすと無理がないと思います。
あるいは実家と自宅を往復する形で仕事をするのも手です。会社員や公務員の場合、往復の交通費はおそらく勤務先負担になると思います。
実家が遠方の場合のテレワーク
遠方の実家へ戻る形でテレワークを始めるのは、なかなか勇気のいることかもしれません。自分もそうでした。
転居時にプリンターやスキャナー、デスクトップのパソコンなど仕事に使うものと一緒に生活用品も遠路はるばる運び、新しい拠点に納入するのはなかなかの大仕事でした。
実家が遠方でもテレワークの機会があって少しでも心が動くようなら、行動してみてください。踏みとどまって後で後悔するのは残念ですから。
不安なら拠点を残したまま移動する形でスタートしても、いいと思います。
実家でのテレワークで必要なもの4つ
実家でテレワークといっても必要なものはお仕事によってそれぞれでしょう。
ここで紹介するのは自分の経験から必要かなと思ったものです。参考になればうれしいです。
ネット環境
実家でもそうでなくても、テレワークするならネット環境はおそらく必須でしょう。
仕事によっては、ノートパソコンとポケットwifiくらいで済むかもしれませんね。自分もテレワークを始めた当初はプリンターやらデスクトップPCやら持っていましたが、今はもう要らなくなりました。
小さめのノートパソコンとネット環境があれば十分です。スマホもあると助かりますね。
耳栓
耳栓の必要性は、実家でテレワークをしていたときに痛感しました。
近所で遊ぶ子どもの声なんかは気にならないしむしろ癒しになるくらいですが、彼ら彼女らのママ軍団が我が家の近所でおしゃべりをすることが多くて耳栓は必須でした。
現在の自宅は比較的静かなところにあるので、いまのところは使わないで過ごせています。
引越しなどをして環境が変わったら、また必要になるかも?
宅配便の送り状
宅配便の送り状は、よく使う運送会社のものを10枚くらい常備しておくと便利です。
送りたいものが出てきたときに記入して、荷物を取りに来てもらうととても楽。
運送会社によっては申し込めば住所を記入したものを発行してもらうこともできるようですが、事前登録など面倒が多いようで、自分はまだ利用したことがありません。
忍耐
やはり自宅で仕事をするのは最初、それなりに忍耐が必要な場面があります。
こちらの都合をよそに話しかけてくることもあるだろうし、介護などをしていたら在宅勤務中でも作業を中断させられることはよくあります。
ただ、実家なら料理を作ってくれる人があったりいつも掃除が行き届いていたりという利点もあるかもしれませんね。
実家でテレワークするとき、利点と忍耐とどちらの比重が大きいかどうかは各家庭によって異なるでしょう。
実家でテレワークしたくても難しいなら、在宅勤務可能な別の職場を探すのも手
コロナショック以降、テレワークできる環境を整える職場は増加傾向にあるようです。
ハローワークの求人募集ページにも、在宅勤務の仕事に限定して探せるボタンが設置されています。
民間の求人サイトなどでも、募集要項に「慣れてきたらテレワーク可」「週1回の会議時以外は在宅勤務」などと書かれている求人広告も少なくありません。
実家でテレワークしたい!と考えているなら、まずは情報を集めてみては。
地域や職種などによってテレワーク求人の多い少ないはあると思いますが、気長に探すことで理想のテレワーク業務が探せる可能性も高まるでしょう。
自分も在宅勤務の正社員で勤めていた会社がつぶれたあと、テレワークの仕事を探すのに少し苦労しましたが、いまは週3・半日の在宅パートで無理なく働いています。
家で働ける仕事は「あるにはあるが、外で働く仕事を探す方がやや簡単」というのが現状かなと感じています。
テレワークの仕事を探したときのことは、このブログでもいろいろと体験談的にまとめた記事を書いてきました。
「【在宅ワークに落ちる問題】40社以上の連続不採用で考えた、メンタルを病まずに仕事を得るコツ」という記事にまとめています。よかったらこちらも、読んでみてください。