大学卒業後はフリーターになり、大手メーカーでの派遣社員、零細企業での契約社員を経て正社員として働きました。
コロナで会社がつぶれて、今はフリーランスです。それぞれの雇用形態で感じた長所と短所について体験談をまじえて、くわしく紹介します。
フリーターの頃はとりあえずお金がなかった
社団法人で時給900円、フルタイムのアルバイトをしました。大学を卒業するころに見つけた、社団法人でのバイトでした。
なぜ時給900円のこのバイトを選んだかというと、若かった私が「やってみたい!」と思う編集アシスタント業務だったから。
時給900円ですから、フルタイムで働いても1日10000円も稼げません。残業が続くとそれなりの手取りにはなったものの、まあ、貧乏人の部類でした。
そのころは実家暮らしで、親から「いい加減にちゃんと就職しなさい!」と言われ続けて毎日のようにケンカで。「なるべく早く一人暮らししよう」と、必死に貯金しました。
実家暮らしでも、フリーターはとりあえず貧乏でした。バイト仲間には恵まれて今も交流がありますが、それは運が良かっただけです、きっと。
アルバイト時代に感じた長所と短所
フルタイムで残業もあり、時間的な自由もあまりなかった筆者のバイト生活。ただ、次の仕事探しには役立ちました
アルバイトの長所
- 柔軟な働き方: 自分のやりたい仕事につきやすい。
- スキルアップ: さまざまな経験ができ、次のステップに繋がる。
- 人間関係: 同じ立場の仲間と出会いやすい。
アルバイトの短所
- 収入の低さ: フルタイムでも貧乏なことが多い。
- 不安定さ: 社会保険がないことが多く、将来の不安がある。
アルバイトをするなら、自分が「やりたい!」と思う仕事を探すのがキモだと思います。そこで1〜2年働いて経験を積むことで、次の仕事につながります。
そう、アルバイトの短所は「貧乏」です(笑)私の場合は。
派遣先は大手メーカーの広報事務。編集部でのバイト経験が役立った
1年間、編集アシスタントをしていたおかげで、次に就いた派遣の仕事は、当時の相場よりも高時給の「広報事務」に決まりました。
時給1400円だったから、フリーターのときより500円アップしたことになります。
大学を出て1年後、晴れて一人暮らしを始めて「さあ、仕事を探そう!」と意気込んでいた24歳の頃。
とりあえずバイトより派遣の方が稼げるよね、という安易な考えで、派遣会社に片っ端から登録しました。
もう、登録するところないかも?というときに、一番最初に登録した派遣会社から仕事紹介の連絡が入りました。
派遣社員として、採用はされたけど
面接を受けて、とんとん拍子に採用が決まりました。今なら「こんなすぐ決まっておかしくないか?」と思ったりもするだろうけど若かった。手放しで喜んで、翌週から派遣先へ出社しました。
派遣先は大手メーカーの広報部。出社してすぐにわかったことですが、かなり怖い中年女性がいて、その人のせいでどうやら、派遣社員が長続きしないようです。
お隣には経理部などもあり、派遣社員も何人か働いていました。派遣元の担当者が気を利かせて、同じところから派遣されている古株の派遣さんと、初日に別室で引き合わせてくれました。
派遣がなかなか長続きしないグループへの配属だった
その派遣社員さんに「(私が配属になった)広報はなかなか人が長続きしない」と言われました。でも、こちらは一人暮らしを始めたばかりで、家賃を払ってご飯を食べていかなければならない身。
ここで諦めては、実家に帰るしかありません。
翌日から、広報部の怖いおばちゃんに明るく挨拶するよう心がけました。できるだけ話しかけるような工夫もして。
普段、根暗・人見知り・人嫌いの自分がここまでするなんて、今考えたら必死だったんでしょう。
数ヶ月すると皆から怖い、怖いと言われていたおばちゃんに可愛がられるようになり、私はその派遣先でなんとか腰を落ち着けることができました。
割と楽しく、派遣社員として2年半
そのおばちゃんは社内の同世代から信用が厚く顔も広い人でした。彼女は、社内のいろんな部署の飲み会に私を連れて行ってくれました。
おばちゃん(当時50代)と、彼女と同世代の「人生の先輩方」と濃い濃い時間を過ごした派遣時代でした。
おばちゃんの同僚の一人だったあるおっちゃんから「息子に会ってほしい」と言われて会いにいったことがあります。お見合いです。
1日デートしたんですけど話が噛み合わずに「丁重にお断りしよう」と思っていたら、こちらから言う前に断られました(笑)。
派遣社員時代に感じていた長所と短所
派遣社員としての仕事内容は、正社員の人が切り抜いてきた新聞(その会社と関連ある記事)を入力して、社内の人に情報として提供することや、社内報の編集補助。ほぼほぼ、単調な事務作業といったところ。
この派遣の時給は1400円、前のバイトは900円だったけど、派遣の方が圧倒的に楽でした。残業もなかったし。
朝9時に出社して、事務服を着たまま夕方17時まで椅子に座ってじっとしているのはかなり辛いものがありました。ひどい便秘になって通院したこともあります。
派遣社員の長所
三ヶ月ごとに更新しながらの勤務だったので、三ヶ月経つごとに派遣元から「契約更新しますか?」と連絡がありました。派遣社員の長所は3つ。
- 高時給: アルバイトよりも高時給。
- 辞めやすさ: 契約期間が決まっているため、辞めやすい。
- 多様な経験: さまざまな企業で働くことができる。
派遣社員の短所
更新、更新で2年半勤めた頃、ふと「生活変えてみようかな」と思い立って契約終了することにしました。まあ、飽きたんですね。派遣社員の短所は分かりやすいと思います。
- 安定性の欠如: 契約期間が終了すると次の仕事を探さなければならない。
- 社会的信用の低さ: ローンを組む際に不利なことが多い。
大きな会社での派遣ライフだったからか、たくさんの人に出会いました。ゴマスリ、いじめ、サボり、恋愛のもつれ。いろんな人間模様を見ました。もちろんいい人もいっぱいいたけど。
サラリーマンって大変だなあとつくづく思いました。
しばらくして自分もサラリーマンになるわけなんですけど、そのころはまだ考えてなかった。
仕事を辞めて次の仕事を探す間に余裕があれば、語学留学も良き
この派遣の仕事を辞めてからしばらく、海外を放浪しました。一応、語学留学というテイで。
「留学するために(派遣の仕事を)辞めた、って履歴書に書ける」という賢い友人からの助言は、その後の就職活動に役立ちました。
契約社員として1年半働いた
海外放浪から帰国したのは半年後。お金がなくなったから帰ってきました。すぐ働く必要があり、まあまあ真面目に就職活動をしました。
一ヶ月ほど就活して、内定が出たのは3社。2社は正社員としての採用、1社は契約社員でした。
契約社員の方を選びました。家から歩いて行けたから。「正社員登用の可能性あり」とのことだったのでとりあえず、近所で契約社員として働き始めました。
契約社員になって感じた長所と短所
派遣の時は大手でしたが契約で入った会社は零細で、社員も10人しかいませんでした。
なかなか自由な社風で。ヘソを出してる人もいれば、髪の毛が真っ赤っかの人もいて刺激的でした。
零細ながらどこにも属さない出版社で、社内の雰囲気ものんびりとして居心地が良かったです。
契約社員の長所
契約社員として働いた期間は短かったですが、それなりにいいところや気になる部分はありました。長所としては、
- 正社員登用のチャンス: 正社員登用の可能性がある。
- 特定のスキルを活かせる: 専門性の高い仕事に就けることが多い。
契約社員の短所
契約社員は派遣社員とそう変わらず(時給も同じくらいでした)、切られやすく辞めやすいといったところだと思います。短所としては、
- 安定性の欠如: 契約期間終了後の再契約が保証されていない。
- 社会的信用の低さ: ローンを組む際に不利なことが多い。
と、いったところでしょうか。
自分としては、正社員が一番辛かった働き方
契約社員として雇われた零細企業で正社員となり、初めてボーナスをもらいました。
忘れもしない初ボーナスは50万円でした。銀行で金額を確認して「正社員やべー!」と小躍りしたことを覚えています。
その後しばらくはのんびりと働き、平穏な日々が続きました。
正社員になり、社内のゴタゴタに巻き込まれる
しかし、数年が経った頃。経営者が交代すると一気に売り上げは激減、社内の雰囲気はだんだん暗いものになっていきました。
売り上げのことでケンカも絶えず、今まで仲が良かった人たちもなんとなく関係が遠くなっていくのが分かりました。
少しのミスで減給されたり、新しい経営者に嫌われて退職勧奨(半ば解雇)される人もありました。
会社を辞めようと思ったところで、親が倒れて要介護に
この頃から「会社辞めたい」と思うようになり斡旋会社などに登録し始めた頃、親が倒れてしまいました。
親の収入がなくなり「老親を抱えてどうしたらいいんだろう」と思いながら仕事をする日々。
自分から会社を辞めて新しい職場を、と考える余裕もなく親の病状は悪化し、働きながら介護をして数年。親は旅立ちました。
40歳目前に、転職を考えるも
その頃にはもう40歳も間近。「介護終わったし転職しようかな」と友人たちに話すと皆、口を揃えて「その歳で女性で正社員なんだから無理に辞めることない」と言います。
諦めきれずに辞めたいと会社に申し出ましたが「待ってほしい」と受理されませんでした。
引き止められたようにも見えますが、その頃は勤め先がかなり弱体化していて、退職金を払うことも渋るようになっていたのです。
コロナで、正社員として働いていた勤務先がつぶれる
「もう、このままなのかな」と仕事に不満を抱えながら数年経った頃、新型コロナウイルスの流行とともに会社は無くなりました。
正社員として勤めたのは16年。最初の数年は楽しかったけれど、苦しい時の方が圧倒的に多かった。
正社員の長所と短所について
あまりいい思い出のない正社員生活にも3つ、長所がありました。
正社員の長所
- 安定性: 解雇されにくく、社会的信用が高い。
- 福利厚生: ボーナスや各種手当がある。
- ローンが組みやすい: 家や車の購入がしやすい。
ボーナスや福利厚生は、ある会社とない会社がありますね。
ローンの組みやすさも、会社の規模によりけりな部分がありそうです。
正社員の短所
短所はやっぱり、辞めにくいことでしょう。
- 辞めにくさ: 転職する際のハードルが高い。
- 責任の重さ: 給料の割に責任が重い。やめにくい。
ミスをして、減給された時は納得いきませんでした。
「私にも責任はあるのはわかっている。でも社内のシステムを変えなければ別の人が担当しても同じことが起こる」と言ったら「怠慢」と言われて途方にくれました。
中小企業の多くはそう言う感じだと、まだその頃は知らなかったです。
正社員時代に経験したいろんな副業が、現在の仕事のベースに
ただ「怠慢」と言われてからはもう極力、残業するのをやめました。
何かが自分の中で吹っ切れて、終業後に副業をするようになりました。
一時は会社の給料を超える報酬を得るほど働いて、結果「自分には会社以外でもできる仕事がある」と理解しました。
その後は、会社で納得いかないことがあったり、上司から責められても「もう、いつクビになってもいいや」と、前向きに考えられるようになっていました。
上司から「クビにするぞ」と言われたとき「いつでもどうぞ」と切り返したら強烈にキレられたけど、スカッとしました。
コロナで勤務先がつぶれ、無職などを経てフリーランスに
会社への不満がバネになり、副業をたくさん経験できました。
そして今、いろんな可能性の中から好きな仕事を選べています。
フリーランスの長所と短所
派遣やパートなどで短期間働いて、フリーランスになりました。フリーランスになった期間はまだ短いですが、長所・短所を挙げてみましょう。
フリーランスの長所
- 自由度の高さ: 仕事や関わる人を選べる。
- 柔軟な働き方: 自分のペースで働ける。
フリーランスの短所
- 安定性の欠如: 収入が不安定で将来の保証がない。
- 自己管理の必要性: 自分で全てを管理しなければならない。
自分のペースで仕事を選べることは大きなメリットです。しかし、収入の不安定さや将来の不安も感じています。
どんな働き方にも、いいところや問題点がある
それぞれの雇用形態には一長一短があります。自分のライフスタイルやキャリアプランに合わせて、最適な選択をすることが大事だと思います。
この記事が、皆さんのキャリア選択の一助となれば幸いです。