もともと会社員をしようと思っていたわけではなく、フリーターや派遣社員を経て20代の後半になんとなく、正社員として就職しました。
その先、勤め続けようとも思っていませんでした。
転機になったのは小さなマンションを買った32歳の夏。「ローン組めたし、会社辞めて好きなことしようかな」と。
ちなみに、ローンの支払いは月々4万5千円ほどでした。共益費・施設修繕費を含めて6万円弱を毎月、住居費用にあてていた計算になります。
ただ、その時は頭金の支払いやリフォーム費用に貯金のほとんどを使ってしまったので「あと2〜3年勤めつつ、先のこと考えてお金貯めよう」と思い踏みとどまりました。
30代で会社をやめなかった自分に待っていた未来は
その後2年経って、父親が倒れて介護が必要になり、私の「会社辞めて好きなことしよう計画」を実行しづらくなりました。
もちろん、親が倒れたからといって自分の好きなことを諦めなければいけないかといったらそうではありません。
ただその時は「病気の親を抱えて、私の収入がゼロになったら」と思うと怖くて退職できなくなってしまったのです。
父親は私が40歳になる頃に他界しました。少し時間が経って「今からでも遅くないかな」ともう一度やりたいことにトライしようとするも。
周囲から「せっかく正社員なのに」とか「40過ぎてるのに」とか言われるようになりました。
それでも辞める方向に気持ちが傾いていた筆者は上司に「辞める方向で調整したい。今すぐでなくていいので」と申し出ると「みんなでがんばっているときに、辞めるなんて」と非難めいたことを言われました。
そのころ、勤め先の業績が良くなくて、会社としても「慣れている社員を手放して新しい即戦力を」というふうに考えることが面倒だったのかもしれません。
辞めたい気持ちがあった一方で、そうした周囲の意見などを聞いていると「無理して辞めることないか」と考えるようになり、いつの間にか辞めたい気持ちを封印していました。
やめたいという気持ちを優先すればよかったという後悔
46歳の年に勤務先はつぶれて、自由の身になりました。今は時間を自由に使えるし、誰に気を使うこともありません。
「なんだ、こんなに自由ならもっと早く辞めてればよかった」というのが正直なところです。
実際のところ、働く時間を少なくしてみると毎日を本当に楽しいと思えるようになりました。
半年前、健康診断で「この年齢でこんなに元気な人は珍しいです」と言われたりもして。身体や心がおそらく今、ベストな状態にあるのだと思います。
少し前に、最近の自分の働き方について記事にまとめました。こちらも、役に立てばうれしいです。
→ 40代でフルタイムはきついから。働く時間と年収を1/3にして分かった大事なこと
46歳まで会社勤めを続けて唯一よかったこと「不労所得を得た」
32歳で買った一人暮らし用マンションの家賃収入が今、毎月5万円ほどあります。
これは46歳まで勤め続けてよかったなと思う唯一のことです。44歳のとき、ローンも完済しました。
もちろん、46歳まで勤めなくてもマンションは買えます。あくまで自分の場合です。
それと、失業手当をもらう時、毎月5万円の収入があることはハンデになりませんでした。
本業以外の所得が多いと失業手当がもらえなかったり、減額されたりするようですが「お小遣い程度の不労所得」と見なされて、失業手当の額を減らされるほどにはならなかったようです。
そこそこの生活水準で生きるなら、正社員レベルの給料は得なくても大丈夫だと自分は思います。やりたいことがあるなら、そちらを優先した方がいいと。
もちろん、定年まで勤め続けるのもアリでしょう。老後のことを考えるとやっぱり安心です。
どちらにするかは気持ち次第だと思います。周囲に振り回されて、年齢を重ねてしまうともったいない気がします。
ただ、メンタルが元気でない場合は無理に勤め続けず休んでください。心も身体も元気でないと会社勤めはおろか、好きなこともできなくなりますから。