ここ数年、我が家では家庭菜園をしています。
テレワークで家にいる時間が長いからか、育ってくる野菜たちを見るのは収穫の楽しみに加えて癒しにもなっています。
いろいろ植えてみるものの失敗も多くて、その度に違う苗を購入してはお試しすることの繰り返しです。
過去に植えてわりとよく育ったものは翌年、時期を迎えると思い出してまた苗を買って植えています。
数々の失敗のなかで「これは毎年、よく育つかも」という野菜が、ちらほらと出てきました。
こちら、ど素人で水やりや肥料も適当。それでも健気に育ってくれて、現状失敗なく収穫できている4種類の野菜についてお話ししたいと思います。
プロが言う「育てやすい野菜」とは
初めて家庭菜園をするときは皆さん、育て方が難しくないものを探すかと思います。
専門のサイトなどを巡回して調べてみると、育てやすい野菜のトップ10を挙げているページがありました。
1 シシトウ
2 ミニトマト
3 ピーマン
4 イチゴ
5 ジャガイモ
6 オクラ
7 ナス
8 ゴーヤ
9 人参
10 キュウリイチからわかる野菜の育て方「家庭菜園で育てやすい野菜TOP10」より
この10品目のうち、我が家で毎年良く育ってくれているのはわずか3種類しかありません。ししとう、ピーマン、オクラです。
上位入りしているミニトマトやイチゴは、我が家では数粒しか収穫できず断念。ナスやキュウリは育つことは育つものの、すぐに味の良くない実をつけるようになりました。
ジャガイモは挑戦しようと思って検討中。ゴーヤやニンジンにもぜひトライしてみたいものです。
我が家で毎年、失敗なく育っているのは青とうがらしとしそ、ピーマン、オクラの4種類
我が家で失敗なく、無事に育ってくれたのはししとうに代表される青とうがらしの類としそ、ピーマン、オクラの4種類です。
毎年同じものを植えるわけではなく、家の周辺で手に入る苗の中で良さそうなものを選んで植えています。
ちなみに今年の夏は万願寺とうがらし、普通のピーマン、普通のしそ(青じそ)、甘長とうがらし、普通のオクラ、普通のきゅうり、丸なすを植えました。
きゅうりとなすは失敗に終わりましたが、その他は夏の間、食卓を豊かにしてくれました。
過去よく収穫できた青とうがらし
ししとうに代表される青とうがらしは、素人が家庭菜園で最も育てやすい野菜のひとつなのではと思っています。
水と肥料を与えると、数ヶ月後には収穫できることがほとんど。青とうがらしは我が家では、不本意な枯らし方をしたことがありません。
ししとうがらし
我が家で家庭菜園を始めたとき、最初に植えたのはししとうでした。
元気に育ってくれて真夏に数日、家を空けたときにもししとうだけは生き残っていました。
収穫したては生で食べても本当においしいです。
最初の年に植えたししとうは翌年も実をつけてくれましたが、だんだん辛味が増して食べにくくなったので年をまたいでの栽培はしなくなりました。
万願寺とうがらし
京都の伝統野菜である万願寺とうがらしは、自分の好きな野菜のひとつです。現地で獲れたものを店頭で見かけるとよく買っていました。
なので苗を見つけたときは即買い。ただ育ててみると我が家では、普通のししとうみたいにかわいい形のばかりで、かっこいい万願寺とうがらしの風貌にはなりません。
まあおいしいから、よしとしています。
大きくなる前に収穫してしまうからかもしれませんが、やはり待てないんですね。早く食べたくて。
甘長とうがらし
甘長とうがらしは生で食べられるというキャッチコピーが付いていたので、買ってみました。
初収穫で食べたときには感動。本当に甘くておいしいです。
しかも丈夫で、今年のは6月から10月まで約4ヶ月の間、楽しませてもらいました。
大体はサラダ的に生で食べますが、たまに卵とじなどで彩りを楽しんだりもします。
その他の青とうがらし
青とうがらしは種類が多いようで、ちょっと検索しただけでもいろいろな情報が見つかります。
こちらで探せたのは以下の青とうがらしです。
伏見とうがらし
関西の夏の食卓ではおなじみの伏見とうがらし。
さっと炒めてお醤油で食べてもおいしいし、ちりめんじゃこといっしょに煮ても格別ですね。
実が柔らかいととてもおいしいですが、市販のものだと硬かったりして食べにくいこともありますね。
いちど育ててみたい青とうがらしのひとつです。
杉谷とうがらし
杉谷とうがらしは滋賀の伝統野菜のひとつで、数百年前から栽培されているそうです。
成長の過程で実がぐにゃぐにゃと曲がってしまうので流通せず、長らく地元だけで食べられていたという歴史があります。
確かにスーパーなどでは見かけませんね、杉谷とうがらし。
滋賀県農政水産部食のブランド推進課が運営する「滋賀のおいしいコレクション」に、杉谷とうがらしに関するくわしい情報があります。
ひもとうがらし
ひもとうがらしは奈良で栽培される伝統野菜です。こちらも杉谷とうがらし同様、あまり見かけない野菜です。
奈良県の公式ページによれば伏見とうがらし系の雑種とのこと。たくさん収穫できるそうなので、苗を見かけたら育ててみたいものです。
清水森ナンバ
清水森ナンバは青森の在来種。
甘みを楽しむために青いときに収穫することと、甘辛さを味わえるように赤く熟すまで待って収穫することがあるそう。
赤いと辛そうですね。清水森ナンバのくわしい情報は、あおもり産品情報サイト「青森のうまいものたち」に掲載されています。
ぼたんこしょう
ピーマンのような形が特徴のぼたんこしょうは、北信州で主に栽培されている青がらしです。
タネの部分に辛みがあり、身の部分は甘いんだそう。
食べてみたいですが、ある程度涼しいところでないと栽培が難しいそうです。我が家の家庭菜園では無理かも?
中野市の公式ページにくわしい情報があります→ 農産物の紹介「ぼたんこしょう」
過去よく収穫できたしそ
しそも割と、我が家では育てやすい部類に入る野菜かなと思っています。
植えたらすぐに大きくなって食べられるけれど、夏が終わるころには少し風味が変わってくる印象。
毎年夏のお楽しみです。焼肉に巻いたりパスタにてんこ盛りにしたり。家で栽培してないとできにくい使い方で、たくさん食べてます。
青じそ
しそは緑色のしか育てたことがありません。いま住んでいる家の界隈で手に入るしそといえば、青じそ一択という感じです。
今年も例年同様楽しませてもらいましたが、9月末の台風で根元から折れて、朝見るとそっくりなくなっていました。
風味変わってきたしそろそろ、と考えていたところでした。折れたしそ、誰かが掃除してくれたのかな。
その他のしそ
赤しそ
緑色のしそばかり食べていますが、そういえばしそには赤いものもありますね。
ジュースやお酒、しば漬け、梅干しなどには欠かせないですよね。そう、しそふりかけも使われているのは赤いしそ。
来年あたり、赤いしそに挑戦してみたい気もします。
生ではあまり食べたことがないし、彩りを添えるのにも使えそうだから家庭菜園でたくさん育てられたらうれしいですね。
過去よく収穫できたピーマン
ピーマンも、植えるとたくさん実をつけてくれる野菜のひとつ。今年も毎日、夏から秋の食卓を彩ってくれています。
初めて植えたときに驚いたのは、生で食べると甘みがすごかったこと。中のタネを取らずにボリボリと食べるとたまりません。
ほか、焼肉といっしょに焼いたりサラダに入れたり、チャンプルーの具にしたり。いろいろ活用できてありがたい野菜です。
普通のピーマン
例年、普通のピーマンと思われる品種を植えています。
年によって実の大小はありますが、ほぼほぼ元気で夏〜秋の数ヶ月、毎日のように獲れます。
ピーマンはししとう同様たくさん実をつけてくれるから「青い野菜高いな最近」というときの強い味方です。
京みどり
去年、我が家にやってきてくれた京みどりというピーマン。
普通のピーマンよりやわらかいかな?という印象がありましたが、ほぼ普通のピーマンでした。とてもおいしいピーマンでしたよ。
プロが育てると、また違った味わいになるのでしょうか。
その他のピーマン
ピーマンは世界中で食べられているだけあって種類が多いですね。
ジャンボピーマン
スーパーなどでたまに見かけますが、我が家では栽培したことがまだありません。
実が大きければ、量を食べられそうで魅力的ですね。
大きなピーマンは甘さも強いんだとか。家庭菜園で育てたものなら生でも食べられますね、きっと。
カラーピーマン
カラーピーマンは種類が多いようで、パプリカやホワイトピーマンなどもその一種だそうです。
パプリカは色味が目立つし甘いから、鳥や虫などに食べられてしまわないか少し不安かも。
うまく育ってくれたら食卓の彩りが華やかになりそうだし、トライしてみたい野菜のひとつです。
こどもピーマン
ピーマンのなかでは比較的新しい品種というこどもピーマン。
激辛唐辛子の代名詞・ハラペーニョと似ていますが甘みのあるピーマンです。
こどもピーマンも最近、ちょくちょく店頭で売られているのを見かけますね。
買って食べたとき確かに甘味を感じました。栄養価が高いようなので、苗で売っているのを見つけたら育ててみたいです。
パープル・ビューティ
パープル・ビューティはネットで情報を見かけて、いつか我が家でも!と思っているピーマンのひとつです。
紫色がかっこいいし、何より希少価値があります。
ただ、色が紫というだけで普通のピーマンと何ら変わりはなさそうですが・・・しかも加熱すると緑色になるそうです(笑)。
赤ピーマン
緑色のピーマンを収穫しないまま待ち続けると赤ピーマンになること、最近まで知らなかったです。
青臭いピーマンの匂いがせず、フルーツのような味わいになるそうですが待てません。ピーマン普通にすごくおいしいから。
でも1個くらい待って、収穫したての赤ピーマンを楽しむのもいいかもしれませんね。
過去よく収穫できたオクラ
オクラも毎年夏に楽しんでいる野菜です。
我が家は南向きで夏はかなり暑いから、アフリカ原産のオクラにはいい環境なのかも。
オクラ
定番のオクラは最初、収穫時期がわからず大きくなるまで収穫せずにいたら筋張ってしまいました。
以来、店頭で売っているくらいの実の大きさになったら収穫します。
輪切りにして胡麻和えもおいしいし、生のままスティックサラダで食べても格別。黄色い花もかわいいです。
白オクラ
我が家で育てた白オクラは普通のオクラより大きくて、収穫時期を逃したものは20cmくらいになりました。
収穫が遅れたら輪切りにしたものをレンチンして、おひたしや胡麻和えにすると美味しく食べられるようです。
輪切りにすると繊維が切れて、少々大きくなりすぎても大丈夫なように思います。
その他のオクラ
オクラも放っておいてスクスク育つから、いろんな種類を試してみたいです。
来年の夏はまたちょっと違うやつを植えてみようかな。
赤オクラ
赤い野菜はありがたいですね。一種類でも食卓にあれば何となくおいしそうに見えるし。
赤オクラはまだ食べたことはないのですが写真などで見ると紫がかった赤がかわいらしく、魅力的です。
丸オクラ
輪切りにすると角のない感じがわかりやすい丸オクラ。
通常のオクラより細長くて口当たりがやわらかいそう。獲れたては生で食べたいかも。
五角形のオクラより筋張りにくいとのことです。
失敗しなかったけど、翌年は作らなかった野菜
ちゃんと育ってくれたけど、翌年以降作っていないのはスイートバジルです。
スイートバジルを使った料理は我が家ではちょっと食べにくく、食卓に上げるのが難しかったというのが主な理由です。
食べる速度より育つ速度の方がはやくて使い切れないと予想される野菜は、選ばない方がいいかもしれません。
素人向けの家庭菜園用品はホームセンターと100均で
家庭菜園に必要なものはホームセンターと100均で揃います。
ネット通販でも買えますが、送料無料ラインまで買おうとするとあれもこれも、となって出費がかさみます。
はじめの一歩はお店に出向いて、必要なものだけ揃えましょう。
種よりも苗のほうが、アマチュアにはいいように思う
我が家は種よりも苗で植える野菜の方がかなりの確率でうまくいっています。
土と肥料と苗があれば。あとは必要と思ったらおいおい揃えていく感じ。まずは土と肥料と苗を入手して、家庭菜園を始めましょう。
あらかじめ肥料が入った土も売られているので、それを買うのもおすすめです。
植えて育ってきたら、家にある菜箸やヒモなどで傾かないように誘導してあげています。
虫が大の苦手ですが、家庭菜園やってます
自分は虫が苦手で、夫がベランダで家庭菜園をすると言った時にはいい気がしなかったというか、少しゾッとしていました。
虫への苦手意識はいまも変わりません。収穫などの拍子に、虫が家のなかに入ってくるとパニック。指についてきたときはもう半狂乱です。
ちなみに、虫はどうも・・・と思いながら、夫の家庭菜園に付き合うようになったのは2年ほど前です。
そのころのことを、「虫嫌いの家庭菜園初心者が本当に育てやすかった2つの野菜」という記事にまとめています。よかったら、こちらも読んでみてください。
プロの言う「育てやすい」は、素人のベランダ家庭菜園には難しいものも
我が家も農家さんやホームセンターのSNSで、プロが指導する「素人でも育てやすい」野菜の記事や動画などを参考にしていました。
プロ曰くトマトやきゅうり、いちごなども育てやすいとのことで、トライしました。
トマトやいちごは甘い香りが魅力だったのか鳥に食べられてしまい、きゅうりは場所をとりすぎて限られたスペースでは満足に育てられませんでした。
狭い場所でもよく育って鳥も寄って来なくて、となると案外限られます。
【2024.7.29追記】素人の家庭菜園でもうまく育つ野菜の条件
この記事で紹介した4種類の野菜のほか最近はいんげん、サニーレタス、つるむらさき、モロヘイヤ、パクチーも収穫できました。
素人のベランダ家庭菜園で収穫が見込める野菜に共通するのは「いい香りがしない」「苦みか臭みがある」「狭い場所でも収穫可能」といったところでしょうか。
この条件に当てはまるものには他に、ニンニクや葉生姜などがあります。近いうちに試してみたいところです。
よく育てば、買うより味・コスパはいいし、獲ってすぐ食べられる
最初は不安だった家庭菜園ですが、思ったより多くの収穫があるのは目からウロコでした。
始めた当初は「素人がすることだし、そんなにとれないんだろうな」とタカをくくっていました。
それが意外にとれるんです(種類による)。なので今年の夏は、緑黄色野菜をほとんど買いませんでした。
10月に入ったいまも、毎日のようにオクラやピーマン、万願寺とうがらし、甘長とうがらしが我が家の食卓を彩ってくれています。
それなりに育てば、買うよりも味もコスパもいいです。何よりも、家庭菜園には「獲れたてが食べられる」という醍醐味があります。